タイでキャッシュレス社会について考えてみる

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最近では日本でも、キャッシュレス、電子マネー、電子決済、なんて言葉をよく聞くようになりました。そしてテレビ番組などでは、自称文化人の古市〇寿ひろ〇きなどが、最近は現金は持ち歩かない、日本は遅れている、そして、逆に海外は(特に中国は)進んでいる、なんて言葉を発しているのをよく耳にします。

まあ、先日ニュースでセブンペイが開始早々断念したとありました。そして中国あたりにバカにされているとも。これは仕方がない。その通り。しかし日本が特別に遅れている・・・?これは本当のことなのか?そしてそんなに外国は進んでいるのか?日本を離れ早10年弱、年に3,4回海外旅行に行く私の個人的な感想ですが・・・これは半分?半分以上、嘘なのではないかと思います。

現実は、ある国の、ある地域の、ある特定の層の、ある種の店、ではキャッシュレスになっていることは確かです。しかし、総じて日本と変わらない、というのが私の感想です。日本は国土が狭い小国、だとしたり顔で発言している馬鹿な人らの発言だと思ってもいいかもしれません。

※実際、ヨーロッパで日本より国土(陸地面積のみ)が大きい国は、スウェーデン、フランス、スペインくらい(しかも大して変わらない)です。国土技術研究センターより

また、よく中国はキャッシュレスが進んでいる、なんて話を聞きます。しかし、それはそうせざるを得ない状況や環境があるのだと思います。まず、理由の一つとして、中国では偽札が大量に出回っているというのがあります。中国では、人心が腐敗しきっており、両替所で偽札をつかまされるなんて当たり前、ATMから偽札が出てくる、銀行で両替しても偽札が入っているというお国柄です。

対して日本は、世界屈指の造幣技術を持ち、人心も腐敗していない?国。日本には、キャッシュレス化するメリットが中国に比べてあまりありません(今のところ)。しかし、中国は、電子決済にせざるを得なかった、という点も考慮に入れなければ不公平というものでしょう。

また、中国は共産主義国家。個人の自由や権利なんてものは西側諸国のように保証されていません。何それ美味しいのレベル。だからこそできる電子決済。お金の流れも個人情報もすべて紐づけされて超監視されている管理国家。その証拠にヨーロッパの優等生ドイツでも完全に現金主義です(2018年10月時点では)。

ちなみに私が現在住むタイはどうかというと・・・タイは電子マネー社会だ、ネットではそう書かれているのをよく見ます。しかし、実際にタイに住んでいる身からすると大いにが浮かびます。居住者の実感では、タイはまだまだ現金社会。これは中国と違い、偽札があまり出回っていないというのもあるかと思います。

また、キャッシュレス化が進んでいない理由の一つにその決済の遅さがあります。これは、従業員が不慣れなのか、読み取り機械が悪いのか、システムが悪いのか、理由は分かりませんが、とにかく遅い。キャッシュレスは何よりその手軽さが肝のはず。それが遅い。現金、しかも小銭を利用しても現金決済のほうが早いってどういうこと?

そのあまりの遅さに、タイで買い物をするときに、前の人がクレジットカードや電子マネーを使っているのを見ると別のレーンを変えたりするほどです。体感ですが、現金決済の10倍近い時間がかかります。日本のクレジットカード利用時の数倍の時間を要しています。なぜ日本のようにバーコードでピッで終わらないのか?そう考えると日本はなんと便利かと思います。

しかし、いずれタイにも電子マネー、キャッシュレスの波が押し寄せてくるのだろうなとは分かっています。最近、やっとタイのセブンイレブンで利用できる電子決済サービス(TrueMoney Wallet)を外国人が利用できるようになりました(2019年10月から?)。セブンイレブンを毎日のように利用する身としては朗報には違いありません・・・・が、しかし、これ、まだまだかなり面倒臭いです。

クレジットカード同様、めちゃめちゃ時間がかかるのです。全然便利じゃない。上記同様、前の人が電子決済で支払いをしているとめちゃめちゃ時間がかかり舌打ちしたくなります。そして同じ無駄な時間が自分にも降りかかることを想像して会計する前から腹が立ってきます。早くサービスの向上とシステムの向上が待たれます。

ちなみにそんな私ですが、今現在日本に住んでいないため、すでに日本で新たにクレジットカードを作れません(作れるかもしれないけど手続き面倒くさそう)。今持っているクレジットカードは昔から持っている日本のクレジットカード。これだけでは何かと不便なので、タイでクレジットカードでも作ろうと思い、色々調べていたことがきっかけでこれを書き殴ってみました。