海外逃避先としてのカナダ

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カナダは余生を楽しむ国?

カナダは日本人の移住したい国ランキングで必ず上位に入る国です。また英語留学やワーキングホリデーの行き先としても人気があります。そんなカナダはアメリカの北側に位置してG7の一国でもあります。

カナダが日本人に人気の理由は、豊かな自然と気候を有し、治安が安定しているためだと思われます。気になるビザ面でも日本人はノービザで半年間滞在することができ、そしてさらにそれを2回延長することができます。つまり1年半の間ビザなしで生活することができます。※2017年1月現在 予告なく変更されるかも。

ちなみに私も今からおよそ10年前にカナダのバンクーバーに、ワーキングホリデーで1年間滞在したことがあります。ワーキングホリデーとはざっくり期間限定で働くことが出来る制度です。と言っても何か特殊な特技や技能を持っていない限り、就労先はレストランや小売り店などに限定されるのが現状です。日本人ならばどうしても日本食屋で働くことになってしまいがちです。

職場の同僚もお客も日本人で英語使う機会がない、なんて話はよく聞きます。ちなみに私は当時日本でマッサージの仕事をしていたので、意地でもカナダでも同様の仕事がしたいと思い探しまくった結果、何とか中国人が経営する鍼灸院にて補助の仕事を見つけることができました。

後から知ったのですがカナダでマッサージの仕事をしようと思ったら、専門の学校に通い(3年だか4年だか)資格を取らなければいけないようです。日本でもそうなので同じ先進国では当たり前と言えば当たり前のことで、本来はカナダに行く前に下調べをしておくべきだったのですが、当時私の頭の中には、カナダでマッサージの仕事する、以外ありませんでした。

幾つかのマッサージサロンや治療院に飛び込みでレジュメ(履歴書)を配り周り、そのことを知って愕然としていた時に上記の中国人の店に拾われました。建前上はサポート業務でしたが、実質はマッサージ要員として働いていました。またそれだけではフルタイムで働けなかったので掛け持ち先を探し回り、タイ語力維持+向上のため敢えてタイ料理屋でも働くことにしました。

これによりワーキングホリデー当初に思い描いた夢の布陣が完成。英語圏でマッサージの仕事をしてマッサージ力を高めつつ英語の勉強もでき、また過去にタイに滞在してた時に他所なりともタイ語も話せていたので、それもタイ料理屋で働くことによって維持できる、下手したら向上もできる。当時は、これで俺もトライリンガルだぜ!なんて思っていました。しかし結局はそんな上手くは行かなかったのですが。

そんなカナダ(住んでいたバンクーバー)の印象はと言うと、何と言ってもアジア人ばかりだと言うこと。主に中国人と韓国人。バンクーバーでバスに乗ったら全員中国人?アジア人だったなんて日常茶飯事です。

このことは英語留学、海外移住を求める人にとっては大きなデメリットかもしれません。そんなアジア人の多いバンクーバーということもあり巨大なチャイナタウンもあります。そこではもはや英語なんて話されていません。看板も全て漢字です。

またやはり気になるのは物価だと思いますが、基本日本より高いです。本当にお金がなくて安く済ませようとするのならば1加ドル(当時約130円)ピザ、なるものがありましたが、常食できるようなものではありませんでした。

日本で言う牛丼などのファストフード、ファミレスや食堂みたいなところでも、チップ込みで10~15加ドル(約1300円~2000円)ほどはしていました。まあ当時のアルバイトの時給が8~加ドル(約1000円~)くらいからだったので、日本とそんなに変わらないのかもしれませんが。

ちなみに余談になりますが、私が働いていたタイ料理屋でのキッチンヘルパーの仕事は時給10加ドル(約1300円)でした。マッサージの仕事は特殊な仕事ということもあり時給15加ドル(約2000円)でした。

またカナダではお酒のが取り締まりがとても厳しいことも衝撃でした。それはマリファナなんかよりも遥かに厳しいものでした。当時街中でマリファナを吸いながら歩いている人がいても警察は何も言いませんが、お酒を飲みながら歩こうものなら即逮捕されます。もちろん日本でよくある花見で酒盛りみたいなものは即ジェル(刑務所)行きになります。そしてマリファナショップが街中に普通にあり真昼間から営業もしていました。

対してお酒の方はどうかと言うと、お酒が買えるのはリカーストア(酒屋)のみ。商店やコンビニでは売っていませんでした。しかも店の数も少ないです。そして大抵の店が夜9時には閉まってしまいます。買うのも一苦労します。

当時英語学校の友達、日本人、台湾人、韓国人、メキシコ人、でパーティーをする時にお酒の買い出しに行った日本人と韓国人の女の子が、お酒を売ってもらえなかったと帰ってきたことがありました。すわアジア人差別か!とも思ったのですが、ただ単に見た目が若くて子供っぽいからという理由でした。よし分かった!と言って代わりに私が行ったら何事もなく買うことができました。

またよく、日本人の家は小さい、ウサギ小屋、なんてこと言われたり聞いたりすることがあるかもしれません。カナダは日本の約26倍以上の国土を誇る国。さぞかしデカい家が並んでいるんだろうなと思いましたが、全然普通でした。むしろ小さいくらい?ちなみに北海道から来た留学生が、カナダの家狭っ!って言ってました。

バンクーバー当時の正直な思い出を書いていたら悪口のようになってしまいましたが、カナダは治安が良く平和で良い国だと思います。だからこそ移住者が押し寄せてきています。ただ、これは完全な個人的な主観になりますが、私は若い人にはカナダはお勧めしません。

それはカナダは穏やか過ぎるからです。のんびりとした空気が流れ過ぎている。私がカナダに1年いて思ったことは、ここにいたら老ける、でした。老成し過ぎてしまう、とでも言えばいいのでしょうか?

ワクワク、ウキウキがないということではなく、ヒリヒリ、ピリピリするようなものがない。平和過ぎて穏やか過ぎて人間の本来持つ種族維持本能みたいなものが弱まる気がします。本能をダイレクトに刺激するようなものがない、もしくは少ないような気がします。そういう意味では、若い内は良くも悪くも刺激の多いアジアの方が良いのかなと思います。

しかし歳を取ってからなら、余生をのんびり過ごすのならカナダはお勧めだと思います。