タイにいるとここは日本なのではないだろうかと思うことが時々あります。それは昨今の異常なまでの日本ブームの影響もあります。逆に申し訳なくなるくらいタイの町は日本、日本語、日本文化で溢れています。また、タイで走っている車のほとんどが日本車です。パトカーやタクシーが日本車を採用していたりします。
ちなみに私が初めてタイを訪れた20年前。その時もタイの町を走っている車は日本の車ばかりでした。ただ、その当時はほとんどが日本の中古車ばかりでした笑。しかし、今ではそれが新車になり、タイの街中を走っています。これは完全に主観になりますが、タイの街を走る90%以上が日本車のような気がします。その他ちらほらとベンツやフォード、プジョーなどは見かけますが、韓国車なんか金のエンゼルを見つけるより難しいのではないでしょうか。
そんなタイ。別に日本車が安いわけではありません。というより日本で買うより高いです。中古車も日本のように新古車や、綺麗な中古車などはあまりなく、新車かぼろぼろの中古車の2択となります。それならば、と皆泣く泣く新車を買うわけです。日本で買うよりも高い値段で。
また、タイはガソリン代も高いです。まあ、高いと言っても日本よりは多少安いのですが、それでも物価水準からすると高いと思います。ちなみに2019年時点で、日本でハイオク150円くらい、ディーゼル120円くらいなのに対し、タイでは、ハイオク37バーツ/㍑(約122円)、ディーゼル29バーツ/㍑(約96円)です。日本の感覚でいうとガソリン代が1リットル500円くらいのイメージでしょうか(適当)。
そのためタイでは、自家用車、自家用バイク、の通勤、ちょっとした自家用車移動はあまりお得感がありません。何しろバンコク~パタヤ間が約150kmで、そのバス代金が110バーツほどです(2020年時点)。仮にバイクの燃費を30 km/㍑とした場合、5リットル=185バーツかかります(ハイオクの場合)。しかもこれはあくまでも快適に飛ばせた場合で、タイのように年中渋滞を起こしていれば当然もっと燃費は悪くなります。
しかもタイの場合、そこにもしものための安全代も考慮しなくてはいけません(日本もそうですが、タイは日本よりも危険運転が多いです)。何しろタイの交通死亡事故者数は日本の7倍。戦争している国を除けば、タイは世界最悪の交通死亡事故大国。かつて、タイにある日本企業は日本人に運転することを禁じていました。絶対事故るからと・・・
しかし、タイは日本と比べると交通インフラが貧弱なため、中心から離れると何もなくなります。そのためそういったところに住んでいる人は移動のため自動車やバイクが必須になります。しかし、都市部で移動・通勤・通学で利用しているのは、手段というよりは完全に趣味、おしゃれ、他人からの視線(未だにタイでは自転車=貧しい人の乗るものというイメージあり)、面倒くさがり、といった見栄を張る用のものといってもいいと思います。
そういえば全然関係ありませんが、カナダのバンクーバー留学中に語学学校で同じクラスメイトだった韓国人が車を買ったという話を思い出しました。なぜたった1年のワーキングホリデー中に車を買うのか?すぐにいらなくなるのが分かっているのに?と疑問を持ったものです。
話を戻しますが、上記のような理由から、超合理主義という名の貧乏性な性格の私には、タイでバイクや自動車を購入・所有することに全く興味がわきません。何しろ日本でも車の免許を取ったのは30歳の時。それも仕事(ブラック不動産会社記事参照への就職)で必要に迫られ仕方なく免許を取り、いやいや車を購入したくらいでした。
つまり今の若者よろしく、車に対する憧れや思い入れがそもそもありません。ちなみにタイに住む日本人の友人はそんな私に会うたびに、バイク買って一緒にツーリングしようや!と言ってきます。友人はさらに友人から大型のバイクを約30万バーツ(約100万円)で買っていました。正直私には理解のできない行動です。そんな友人との会話。
バイクがあったら便利やん
〉バイクなんてシラチャ(みたいな小さな町)で買ってどうするの?
バイクがあったら好きな時に好きなところに行けるやん
〉どこに行くの?
パタヤとか・・・
〉いや、パタヤまで40バーツで乗り合いバスで行けるから。
行きたい時に行って帰ってこれるやん
〉バイクで行ったら酒飲めないから強制的に泊まりになるが?明日も仕事でしょ?
それはそうだけど・・・
こんな感じで毎回話が噛み合いません。車やバイクは負債。「金持ち父さん貧乏父さん」にも書いてある有名な言葉です。まあ、私がただせこいだけなのかもしれませんが、今の若者同様、最近あまり物質的な欲望というものがとんとなくなってきました。
しかし、こんな考えの私はいつまでたってもタイ人の彼女はできないかもしれません。何せタイでは昔の日本?のようにいい車やいいバイクを持っていることがステータス。それらを持っていない私は貧乏人に映るかもしれません。しかし、車やバイクは本当にいらない。悩ましいところです。