タイのチェンマイでできた初めての外国人の彼女19

Pocket

タイのパイにて。野良犬を牽制しながら宿を目指します。もう少し、もう少しで宿の敷地内に入れる、そう思い宿の方をよく見てみると、そこには幽鬼のようにたたずむ彼女がいました。うわっ! 思わず悲鳴を上げてしまいました。まさに前門の虎後門の狼。しかし、野良犬と違い彼女とは眼を合わせた以上、後ずさりして逃げるわけにいきません。意を決して静かにたたずみ、こちらをにらみつける彼女の元へと向かいました。

何で電話出ないの?何回も電話したのに!
>いや携帯の調子が悪くて・・・
嘘っ!
>本当。ほらバッテリー切れてる。
どんだけ心配したと思ってるの?連絡取れないから私ずっとここであなたのこと待っていたんだよ。野良犬はいるから怖いし。幽霊も怖いし・・・。

などと泣きながら怒られました。一方、私と言えば、怒っていたのは昼前までの事。そこからは市内を観光し、滝を観光し、田舎道をバイクで流し、酒をしこたま飲んでいました。そしてつい先ほどまで野良犬と格闘していたこともあり、正直彼女への怒りなどほとんどなくなっていました。

ということで素直に、ごめん、と言うことができました。まあ、とにかくこんな外で言い合っていても仕方がない。俺も酔っぱらっているし、部屋に入ろう、と彼女をなだめて部屋に招き入れました。部屋に入っても彼女はまだ怒っていました。完全に攻守交代してしまいました。

まあ、とりあえず話は分かったからちょっと待って。先にシャワーを浴びさせて、そう言いつつ浴室に避難しました。しかし、さすがに深酒が効いたのか、シャワーを浴びた後、ベッドで彼女の話に耳を傾けている最中、私にまだ怒っている彼女を置いて寝落ちしてしまいました。

さて次の日の朝。意外に爽やかな目覚め。隣の彼女はもう起きていました。そして彼女も一晩経って、怒りはある程度収まっていたのか、怒ってはいない様子でした。そして普通に二人で朝食を取りに行きました。そしてホテルをチェックアウトしてパイを後にすることになりました。

結局、彼女の地元を案内してもらうことはありませんでした。が、結果、雨降って地固まる、ではないですが、仲直りできて良かったです。ちなみに帰りのバスは彼女と隣り合ってチェンマイへと戻りました。