海外移住日記第20話 シラチャでの面接が決まる

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タイでまさかの大企業の書類選考に通る

タイでの就職活動。不動産業界への転職を諦めた私は改めて自分の気持ちを確認してみることにしました。なぜ私はタイに来たんだっけ?よく考えてみるとタイに来てまで不動産業をやりたい、そう思うほど不動産にパッションがあるわけではありません。というよりそもそも人生をかけて働きたくない、仕事漬けの人生を送りたくないから日本を飛び出たのではなかったか・・・。

だからと言って完全フリーになるという選択肢はその時はありませんでした。勇気がなかった。人に雇われて給料をもらえるという安心感を捨てたくありませんでした。しかし、そんな時に紹介された案件は、まさかと思う会社からでした。日本人なら誰でも聞いたことのある財閥系S商社。その100%子会社であるタイで1、2を争う鉄鋼会社でした。

初めその話を聞いた時は、転職会社もついに手数料欲しさにやけくそに紹介してきたか、そう思いました。しかし、担当者はどうやらマジのようでした。”企業が求めている条件は人柄重視だから絶対行けますよ。ただ場所がバンコクじゃないんですよ。会社の住所はシラチャなんですよ”そう担当者が言いました。

・・・シラチャ?どこだ?そんな街聞いたことがない。私のそんな気持ちを読み取ったのか担当者は、シラチャはバンコクからパタヤ方面に約100㎞、パタヤの北30㎞に位置する、日本人が多く住む町だと教えてくれました。そのシラチャの近隣に工業団地が複数あるそうで、そのうちの一つにその会社があるとのことでした。

正直バンコクにこだわってはいませんでした。それにその時はまだパタヤに行ったことがなかったということもあり、パタヤの近くというのも惹かれました。まあ、どちらにしてもそんな大きい会社に採用されるわけないしな、そう思い半ばなげやりな感じで、じゃあエントリーしておいて下さい。そう担当者に言いました。

それから数日後、書類選考が通りました。面接をしたいとのことです。担当者から連絡がありました。正直マジかと思いましたが私よりも担当者の方が何故かテンションが高く私は逆に冷めていました。

○月○日の○時にシラチャで面接です。

>はあ・・・そうですか。わかりました。

頑張って下さい。

>はあ、頑張ります。

そんな感じのやりとりの後、ふと思いました。そういえばシラチャ行ったことない。どうやって行けばいいんだ。シラチャまではエカマイからバスが出ていることは大体想像がつきました。しかし、問題はそのシラチャに着いた後。件の会社のある工業団地までどうやって行けばいいのか?

早速グーグル先生で調べてみましたが情報が出てきませんでした。ただ一つ分かったのはシラチャにはタクシーがないということ。そして移動はトゥクトゥクに限られるということでした。トゥクトゥク・・・ということは言い値か。一体相場はいくらなんだ。全く想像がつかない。

バンコクに住む複数の友人に相談しても、往復で1000B(約3000円)は覚悟したほうがいい、そう脅されました。特に帰り。工業団地にはトゥクトゥクなんて走っていないから、行きで使ったトゥクトゥクを往復契約にして待たせていたほうがいいよと・・・確かにそれなら1000Bはかかるかもしれない。

・・・急に面接でわざわざシラチャまで行くのが面倒くさくなってしまいました。行くのやめようかな、いやでも約束したしな、行かなくちゃだめだよな、そんな葛藤を面接当日まで続けていました。そして面接当日の朝。起きれなかったら行かないでおこう。そう思っていたのですがばっちり起きれてしまった私は意を決して朝一のバスでエカマイよりシラチャに向かうことにしました。