ブラジルのサルバドールでの怠惰な日々その2

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翌日。早速、青い家に引っ越しをすることにしました。青い家は立地が奥まっていて多少不便ですが、それでも建物内は清潔で住み心地がよさそうでした。またシーズンがずれているからか、部屋に宿泊客は私以外誰もおらず、8人のドミトリー部屋を独占状態で使うことができました。当然、キッチンも独占状態でした。まあ、快適でいいなと思っていたのは始めだけで途中から寂しくなってきたのですが・・・

サルバドールもサンパウロも、というかブラジル全体、治安は悪いです。よほど地元の地理に詳しいか、事情通でもない限り一人で観光するには限度があります。行動の制限もあります。そして当然やることが限られてきてしまいます。まして一人身。青い家に滞在していたのはほんの3、4日ですが、やることは限られていました。

午前中は人通りの多いところを観光して夜になると近くのスーパーで買っててきた食材を調理して一人で夕食を食べる。そして観光客がいそうなバーで飲む。しかしこんな生活が楽しいのは、はじめの1、2日だけでした。青い家は、屋上からの景色は素晴らしかったのですが、それも2、3度見ると飽きてしまいます。そして思いました。せっかく念願のサルバドールまでやって来たにも関わらず何だこの寂しい生活は・・・。

そんな時ふと思い出しました。サルバドールにはスラム街で暮らしている日本人のJさんと言う人がいるということを。それはサルバドールに来る途中にアルゼンチンブエノスアイレスにいた時の話。隣の部屋にたまたま泊まっていた同年代の日本人と仲良くなり、共用スペースのダイニングでワインをラッパ飲みしながらサルバドール情報を聞いていました。

”サルバドールにはJさんという面白い人がスラム街に住んでいます。もしサルバドールに行くのなら一度訪ねてみたほうがいいですよ”

その時にメールアドレスも教えてもらっていました。そのことをふと思い出し、早速そのJさんにメールを送ってみることにしました。メールには、現在サルバドールにいること、一度Jさんの部屋を見せてほしいこと、現在青い家に滞在していること、などを列挙して送信しました。

さすがにすぐさま返信はないだろうとそのままネットカフェを出たのですが・・・なんとその翌日、青い家の私が泊まっていた部屋に突然の来訪者がありました。それが、そのJさんでした。何でもメールを見た後、たまたまダウンタウンまで来る用事があったため、青い家に寄ったとのことでした。

なんて行動力。そしてタイミング。Jさんは開口一番”こんにちは。直接来ちゃいました。今私の家の部屋は開いているので歓迎します”と話しかけてきました。腰までの長髪と鍛え上がった体。日本で会えば怪しさ抜群でしょうが、ここは南米のブラジル。容姿が特徴的な人など山程います。何と言ってもその笑顔を信じることにしました。

何より面白いことになりそうだ。ということで早速ですが、2日後からJさんの経営する?宿に移ることにしました。その場で近くまでの行き方を教えてもらい、待ち合わせをすることにしました。そうして私はスラム街にあるJさんの宿に移ることになりました。