人生のターニングポイント~ブラジルでマッサージ師になる?その1

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私はかつてマッサージ師として働いていました。その期間約10年。マッサージ師という仕事を選んだ理由は海外で働くため。海外で暮らすことに漠然とではありましたが夢を持っていたためでした。マッサージ師であれば世界中どこででも働ける。そう若い私は考えていました。そして海外に出ると必ず、マッサージをしながら好きなところで仕事をしたい、そう周囲に口にしていました。

そんな状態で訪れた南米ブラジルのサルバドール。当時私はサルバドールのスラムに滞在していたのですが、そこには日本人どころか中国人すらほぼ見かけませんでした。世界中どこにでもある中華料理屋すらない。そんなエリアでした。当然、日本人の数も少なくおそらく当時サルバドールに住んでいる日本人は体感10人いたかどうかというところだと思います。

そんなサルバドールでもいつものように、ブラジルでマッサージで働ければいいのになー、と周囲に語っていました。内心、どうせ叶わない夢だろうけど・・・それでも、とりあえず口に出してみるか、くらいな感じでした。しかし、それが真に受けられてしまったことがありました。それは当時私が暮らしていたサルバドールの長屋のJ宿

そんな話をJ宿のオーナーのJさんにも話していた時のこと。Jさんは聞いていた時は、ふーん、そうなんやー、くらいの薄いリアクションだったのですが、その数日後、ちょっと紹介したい人がいる、と言われました。言われるまま付いて行ってみると一人の日本人を紹介されました。

初めまして、そう挨拶はしたものの、一体この人は誰なんだ?。するとJさんよりその日本人の説明がありました。この人はブラジル人の女性と結婚してここサルバドールに住んでいる人。それでね、そのブラジル人の奥さんがマッサージの学校に通っているんだよ。だから前に話してたブラジルでマッサージの仕事がしたい、って話の相談に乗ってくれるって。

思ってもいなかった突然の展開に驚きました。既述のように海外でマッサージの仕事をしたいとは思っていたけれど、あくまでも夢想、願望レベル。本当にできるとは正直夢にも思っていませんでした。そして・・・ぶっちゃければ海外でマッサージで働くと決意しているほど根性が座っているわけでもありませんでした。

決して嘘で言ったわけではなかったけど・・・ちょっと格好つけていたというか、そうなったらいいなー、くらいのテンションというのが正直なところ。そのため突然の展開に驚きリアクションに困ってしまいました。しかし、ここまでわざわざお膳立てしてもらっておいて、やっぱりいいです、あれは冗談(じゃないけど)です、軽い気持ちでいったんです、とはさすがに言えず、思わず有難うございます。と言ってしまいました。

その日本人の人も、ブラジルでマッサージで働きたいんだって?変わってるねー、でもそういうの嫌いじゃないよ、そう言ってにこやかに笑っていました。そうか、それじゃあ後日また連絡するわ。とその日は顔見せだけで終わりました。