日本におけるタイマッサージの現状

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世界一気持ちいいマッサージ?

私はかつてマッサージ師として7年ほど活動していたことがあります。そのきっかけはタイでマッサージ学校に通ったことです。初めはタイで長期のビザを取得するためだけに通い始めただけだったのですが、いつの間にかタイマッサージにはまっていました。そして本格的に学び始めました。

そしてそれだけでは飽き足らず、本格的にマッサージで飯を食おうと思いました。普通のサラリーマンにはなりたくなかった当時の私にはタイマッサージ師天職と思えました。そしてチェンマイにて1年半の間タイマッサージを学んだ後、意気揚々と日本に帰ったのですが大きな挫折を味会うことになります。

まず何といっても日本のタイマッサージのレベルの低さです。おそらくバンコクのワットポーあたりで30時間(6時間/日×5日間)だけ学んだであろうくらいの人が平気でタイマッサージ店を経営していたりします。当然気持ち良くもなんともありません。ちなみに当時の私で1000時間近くは学んでいました。

また基本的に従業員は女性しか雇わないという店もたくさんありました。風俗か!、とも思ったのですが、これはやはりタイマッサージをなめているのか、それともただの流行りとしてやっているのか、東京や大阪などに行けばまた事情が違うのかもしれませんが。

また日本のマッサージとタイマッサージの根本的な違いもありました。日本のマッサージは基本的に30分のコースがメインのコースになります。おそらくどこの店でも30分のお客さんが一番多いと思われます。その30分の間にうつ伏せの状態で頭から足まで全身行い、最後にあおむけにして首肩頭顔をやっておしまい、という流れが一般的になります。またこれが60分ともなると足裏マッサージ(リフレクソロジ―)が加わることも多いです。

しかしタイマッサージは基本的に2、3時間かけて全身をほぐすマッサージになります。流派によって若干やりかたは違いますが指圧的なツボ押しというよりは、掌圧や拳圧などによるものが多く、そして手技の多くがストレッチとなります。

タイマッサージ=世界一気持ちいい

などと言われますがマッサージ業元従事者から言わせればタイマッサージのようにデフォルトで2、3時間かけてマッサージされればそれは気持ちいいわ、となります。

しかしこの忙しい現代日本に生きる人達に2、3時間のマッサージを頻繁に受ける余裕なんてあるわけがありません。結果どうなったかというとタイマッサージの根っこの部分を全てすっとばし印象的なアクロバティックなストレッチだけをして残りは日本の指圧やもみほぐしと何ら変わらない施術をする、というわけのわからないメニューをしているところが多いわけです。

しかし指圧やもみほぐしであればタイマッサージ屋に行かずとも日本には今や500円/時間のマッサージ屋がいくらでもあります。正直そちらの方が指圧やもみほぐしは本格的で上手です。タイマッサージ師が見様見真似で行っている指圧もみほぐしに比べると雲泥の差となります。

これは別にタイマッサージやタイマッサージ師を馬鹿にしているわけでもありません。ただリアルな現状と仕方がないということ。だってタイマッサージではほとんど指圧やもみほぐしを施術として行わないのだから。

私自身タイでタイマッサージを学び総じて1000時間ほど学びました。だからこそ日本のマッサージとタイマッサージの違い、そしてマッサージ師の置かれている立ち場の違いや、給料の違い、マッサージに対する文化の違いがありすぎて本来のタイマッサージの持ち味が日本では行かせていない現状を憂いています。

現状を憂いておきながら一抜けたと即タイマッサージから身を引いておいて偉そうなことは言えませんが、確かに自分が一青春をかけたタイマッサージがもう少し日本で受けれればいいな、とは心の底から思います。