海外移住日記第3話 ブラック不動産会社の業務内容

Pocket

ブラック企業の業務内容とは?

私が入社したブラック企業の構成は社長以下、課長、事務、パート二人と私を含む新入社員3名の合わせて9人でした。そして外部からやってきた社長の元部下6名の合わせて14名で合同オリエンテーション+入社式が始まりました。まずは業務内容ですが、基本業務は売り物件探しでした。

この会社は普通の不動産会社とは業態が大きく変わっていました。通常の不動産会社のように既にマーケットに出ている正常案件を扱うのではなく、未だマーケットに出ていない物件を掘り起こし正常物件に加工してマーケットに出す、というのを経営の軸にしている不動産会社でした。

詳しく言うと、県内・市内をくまなく廻って、空地、空き家、マンション等の空き室、古アパートなどの所在調査を行います。その住所から登記簿謄本を取得し所有者を特定し、その所有者の所在確認を行います。そして所有者に対しコンタクトを取り、使っていない不動産の活用・運用を提案営業する、と言うのが主な営業活動になります。

そのために空家等を探さなくてはいけません。空地や古アパートは簡単に見て判断できると思います。空地は空き地だし。古アパートも見て分かります。ただ空き家やマンション等の空き室はどうやって判断するのか?人が住んでいないことをどう確認するのか?というのがオリエンテーションで話される内容でした。

ちなみにパートの女性が二人同時入社していましたが、この二人は主に物件探し専門で、その他の業務は一切せず、ただただ自転車で県内・市内を探し回る仕事をするということでした。ただ二人の内一人はパートとして時間給が発生している間一切仕事をせず、さぼっていることが社長にばれて、すぐにクビになっていました。

空き家の場合。

オリエンテーションが始まり、課長より空き家や空き室の調査方法の説明が始まりました。外観のチェック、郵便ポストのチェック(郵便物やチラシであふれかえっていないか)、雨戸が締め切っていないか、もし可能であればメーターが動いているかどうかの確認、呼び鈴を押してみて居住者が出てこないか、などでした。

分譲マンションの空き室の場合。

集合ポストのチェック(郵便物やチラシであふれかえっていないか)、オートロックでなく建物内に入れるのならばメーターのチェック、オートロックで入れないならば呼び鈴を押して居住者のチェック、またベランダ方向に回り晴れてる日に洗濯物が出ていないかどうか、雨戸が締め切っていないかどうか、などでした。

正直マークだらけでした。そもそもマンション内に勝手に入って行って良いのか?と。後に実際にマンションに行ってみると、”マンション関係者以外の立ち入りを禁止します。見つけた場合警察に通報します”等の張り紙が貼ってあります。

この時社長からは営業活動だから大丈夫、とか、悪いことなんて何もしていないから問題ない、等の説明がありました。その時は、いや本当に大丈夫か?と思いましたが、初めてのことで何も分からなかったので、ああそういうものなのか、と思わず納得してしまいました。

また空き室で調査するのは、賃貸マンションではなく、分譲マンションになるのですが、そもそも分譲マンションと賃貸マンションをどうやって区別するのか?マンションに分譲とか賃貸とか書いてあるわけではありません。またマンションを調べたとしても、その住所はどう調べるのか?その辺の説明もあやふやと言うかはっきりとした答えがなく適当な感じでした。

というより結局社長も課長もよく分かっていないみたいでした。結局、帰ってきた答えは、答えはすべて現場にある との刑事が言うような台詞でした。要するに調査したマンションが分譲か賃貸かや住所などは、何とかして現場で調べてこい、ということを言っていました。その時は、現場で調べるってことは、郵便部でも盗み見するってことか?と思い途方に暮れてしまいました。

ただ後に仕事に慣れてくると、分譲かどうかの判断とマンションの住所は簡単にインターネットで調べられるサイトがあることが分かりました。これが分かった時、今までの苦労と無駄な時間は何だったのか、と思いました。ちなみにこのインターネットのサイトで調べられることを、社長はもちろん、オリエンテーションで説明をしていた課長も知りませんでした。バカばっかりでした。

正直、今思えばこの時点で、なんだこの会社は?何かダメな会社だな?と気づかなくてはいけないのだと思います。初出社日ということもあり、そこまでは分かりませんでしたが、こんなところで働いて大丈夫かな、と思ったことは確かでした。


スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする