海外移住日記第29話 地獄の自己紹介

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シラチャに着くのはいつも1時間前

入社当日。私は夜がまだ完全に明けきっていない時間にドライバーからの電話でたたき起こされました。一瞬寝過ごしたかと思い冷汗をかきましたが、よくよく時計を見てみると約束されていた時間よりも1時間ほど早いことに気づきました。タイ人ドライバー曰く、早く着きすぎてしまった、とのこと。

また、早く着いたのはいいのですが、警備員に止められて当時私が住んでいたアパートの駐車場に入れないとのことでした。まあ仕方がない。遅刻されるよりはなんぼかましです。我ながらお人よしだとも思いましたが、予定していた時刻よりもかなり早い時間に会社に向かうことにしました。

通常バンコクからシラチャまではバスで2時間を見ておいた方が良いです。しかしその日はバスではなく乗用車。しかも早朝でした。結局、予想していた2時間ではなく、1時間半もかからず到着してしまいました。会社の担当者から指定されていた時間よりも1時間近く会社に到着しました。オフィスは開いているものの、当然誰も出社して来てはいませんでした。

結局、面接を受けた応接間にて待つこと1時間と少し。ようやく担当のNO.2がやってきました。その場で簡単な挨拶をし、そのまま社長室へ向かいました。社長に入社の挨拶をして、次はオフィスの全社員の前に引きずり出されました。面接時にもなんとなく分かってはいたのですが、とにかくオフィスがでかい。そしてそのオフィスに100人近い社員が一緒に働いている。ある種壮観な眺めではありました。

予想はしていました。でも、そうならなければ良いな、とも思っていました。と言うより願ってすらいました。でも現実とは常に厳しいもの。大体悪い予想が現実化してしまいます。と言う訳で100人全員が呼び出され、私は全員の前で自己紹介をさせられる羽目になりました。一応、一応、最悪のケースのことを考えて自己紹介を用意していて助かりました。

私の自己紹介が終わると今度はその後はお返しとばかりに100人全員の名前を聞かされました。まあ5人くらいの段階で名前を覚えるのは諦めたのですが。そんな地獄の時間が終わり、席に案内されました。とりあえず最初が肝心だと思い隣に座っている女性にタイ語で話しかけてみました。

名前は何ですか?

>え?私日本人ですけど。

あ、そうなんですか?

何と隣に座っていたのは日本人の女性でした。そして、その女性が私の教育係になることになります。