日本と海外の不動産業界の違い

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日本の不動産業界は遅れているのか?

率直に言うとタイよりは進んでいると思われます。タイには日本や欧米などで通常ある、いわゆる業法や関連法規がほぼなく野放し状態になっています。つまりやりたい放題になっています。

ただそんな日本も欧米に比べると遅れています。というよりも閉鎖的というべきでしょうか。そんな遅れているサービスの一つに客の囲い込みの状態化があります。日本では基本的に媒介契約が締結された時点で不動産流通機構のレインズ(地方によって呼び方は変わるかも)という日本中の登録不動産業者が見れるサイトへの登録が義務化されているのですが、ほぼ努力義務に近い感じになっています。しかも罰則はありません。

ちなみにこれが欧米になると免許取り消しなどの厳しい罰則があります。つまり業者と個人が持つ情報に差異があってはいけない、個人も業者も同様の情報を提供され、得られなければならないとしています。それを日本の不動産業界は公然と無視しています。

また契約前後の専門家(住宅診断、ローン、保険等)の資料添付が欧米では当たり前なのに対して、日本では簡素なもの、もしくは会社によっては、ないなんてことが当たり前になっています。あったとしても専門知識のない担当者がすべてを担当することが常です。ちなみに私も日本でやっていました。

これが欧米になると、日本で流れ作業のように行われるローン付けや、住宅診断に関して欧米ではそれだけで飯が食えるような、それくらい専門的な知識を持って取り組んでいます。ちなみに私が以前働いていた不動産会社では当然ありませんでした。

またもう一つ日本と世界の不動産業界には大きな違いがあります。それは中古不動産市場について、これが日本は欧米に比べて未熟なことです。日本全体で流通している物件の30%が中古不動産であるのに対して、欧米では70-80%が中古不動産となります。それだけ日本では新築神話があるということになります。

ただこれは日本特有の要因も考えられます。まずは地震や台風などの災害のため、建物の耐用年数が短く考えられること。ちなみに日本は25-6年、アメリカは44年、イギリスは75年。また日本が木材建築が主流なのに対して欧米では石やレンガが主流になります。

また違う意味でもあります。それは日本の建築会社は総じて(あくまで海外と比べると)しっかりしているということです。海外では(それがアジアやアフリカでなく、たとえ欧米でも)作りが適当なので新築の建物は敬遠されるという風潮があります。その理由は簡単です。新築はどんなトラブルが起きるか分からないから。

これが中古の建物となると、既に人が住んでいるのだからおそらく大丈夫なのだろうと考えます。口コミや住んでいる住人に聞くこともできます。乱暴に言ってしまえば建築会社の作った新築の建物を頭から信用していないということになります。

それはタイで働いたことがあるので良く分かります。タイの新築の建物には思いもかけないことが起きることがあります。日本ではありえない、冗談のようなことが。配管がつながっていないとか、柱が抜けているとか、排水溝とは逆の傾斜になっていて水が流れない、とか。

そんなことは日常茶飯事に起きます。そしてそんなことは欧米でも起こっています。そのため新築一番という日本の神話、常識は、日本の常識は世界の非常識となります。逆に海外では築浅10年未満くらいのものが好まれたりします。

そういえば姉歯事件で欠陥が見つかった建物も東日本大震災では倒壊しなかったと言います。日本でも昨今建築会社の手抜きや違法行為などがニュースで流れることがあります。良くないことだと分かっていますが、でもそれでも日本の基準は世界の基準の遥か斜め上を行っていると思います。

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