タイでできた初めての外国人の彼女14

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時間も夕暮れ時を迎えようとしていたので、結局3時間ほどでバイクを返すことにしました。宿に戻り一休みし、夕食を食べにいくことにしました。ちなみに一人で観光している間も宿に戻って一休みしている間も携帯には彼女からの連絡がひっきりなしにかかってきていました。しかしすべて無視していました。

夕方になると彼女からの連絡の頻度が上がってきました。おそらく友人達と別れ、里帰りも終わり、独りになったのでしょう。そう考えるとまたまたむかついてきました。一人になって一緒にいる相手がいなくなった途端こっちに頻繁に連絡かよと。

というわけで着信にずらっと並ぶ彼女からの連絡をすべて無視し、ご飯を食べに行くことにしました。ちょっと歩くと雰囲気の良さげな店がそこかしこにあったので、それらの一つに飛び込むことにしました。客の大半は髭が伸びきったヨレヨレの服を着たファラン(西洋人)でした。

そこで飯を食い、酒を飲み、時間を持て余すようにただただパイの町を眺めながら時間をつぶしていました。バイブで鳴り響く彼女からの電話をうっとおしく感じながら。同じところに一人でずっといるのも嫌だったので河岸を帰ることにしました。そして今度はローカルな人たちが集まるオープンなレストランがあったのでそこで飲むことにしました。

2軒目には長いこと長居していました。一軒目で飯を食べ始めたのが17時過ぎ。時刻を見ると23時を超えていたので6時間くらい一人で飲んでいたことになります。携帯は彼女からの着信がありすぎて既にバッテリーが切れていました。これはちょうどいいと放っておきました。しかし時間が24時に近づき、さすがに一人で酒を飲むのも飽きてきました。またかなり酔ってきたので部屋に戻ることにしました。

ほろ酔い加減で部屋路を帰っていると宿の手前に野良犬がいるのが見えました。やだなー、怖いなー、と思っているとやっぱり吠えてきました。そして距離を詰めてきます。どうするか?確か逃げると追いかけられる。咬まれると狂犬病治療をしなくてはいけないから面倒だ。ということでにらみ合いつつ後ずさりしながら少しずつ宿に向かいました。

もう少し、もう少しで宿の敷地内に入れる、そう思い振り返るとそこには幽鬼のようにたたずむ彼女がいました。うわっ! 思わず悲鳴を上げてしまいました。まさに前門の虎後門の狼。しかし野良犬と違い彼女とは眼を合わせた以上後ずさりして逃げるわけにいきません。意を決して静かにたたずみ、こちらをにらみつける彼女の元へと向かいました。

何で電話出ないの?何回も電話した!

>いや携帯の調子が悪くて

嘘っ!

>本当。ほらバッテリー切れてる。

どんだけ心配したと思ってるの?連絡取れないから私ずっとここであなたのこと待っていたんだよ。野良犬はいるから怖い。幽霊も怖い。

などと泣きながら怒られました。一方私と言えば、怒っていたのは昼前までの事。そこからは市内を観光し、滝に飛び込み、田舎道をバイクで流し、酒をしこたま飲んでいました。そしてつい先ほどまで野良犬と格闘していたこともあり、正直彼女への怒りなどほとんどなくなっていました。

ということで素直に、ごめん、と言うことができました。まあとにかくこんな外で言い合っていても仕方がない。俺も酔っぱらっているし、部屋に入ろう、と彼女を部屋に招き入れました。そしてさすがに深酒が効いたのか、シャワーを浴びた後私にまだ怒っている彼女を置いて私は寝てしまいました。

次の日の朝。彼女も一晩経って怒りはある程度収まっていたのか、普通に二人で朝食を取りました。そしてパイを後にすることに。結局彼女の地元を案内してもらうことはありませんでした。しかし帰りのバスは彼女と隣り合ってチェンマイへと戻りました。