タイで出会ったナチュラルボーンストーカーな日本人6

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ユンピンからYとの出会いの経緯を聞いた日から、私はあまりYと関わるのを避けるようになりました。そんなYはユンピンを諦め(本人は見限ったと言っていましたが)、近くの美容院の女の子に熱を上げていました。これもどう見ても女の子は嫌がっているのですが、Yは知ってか知らずか相変わらずぐいぐい押していました。

初めは客だったのかも知れませんが、それ以降は客でもないのに店内に入り、働いている彼女に話しかけるという行為を繰り返していました。ストーカーだ。こいつは。ナチュラルボーンなストーカーだ。間違いない。私ともう一人の友人は目配せして、こいつといると我々が損をする。好感度が下がる。風評被害を被る。そう思い距離を取るようになりました。

そしてもう一人の友人Kにユンピンと飲みに行ったこと。そしてそこで聞かされたYとユンピンの顛末を話しました。やっぱりなー、おかしいと思った。Kはそう言いました。Yの言う発言を彼も疑っているようでした。そしてそれから私とKとユンピンとその友達の4人でよく出かけるようになりました。

それと同時に私とユンピンとの仲は急速に進展していきました。そこで初めてユンピンのことを詳しく聞くことになりました。今は親戚の手伝いでナイトマーケットで店番をしているが、もともとはデザインの勉強をしているということでした。しかしそれもそんなに長くないとのことでした。

聞けば、今デザインの学校に通っており、そこを卒業したら父方の親戚のいる香港に行くとのことでした。ユンピンの父親は香港人でした。どうりでタイには華僑系のタイ人はたくさんいますが、その中でもユンピンの顔立ちはタイ人とは少し違っていました。そうかー。残念だなー。せっかく仲良くなったのにー。出会いは最悪だったけど。

そういえばチェンマイでの生活は慣れた?

>おかげさまで。マッサージ学校も楽しいし。

そう。彼女は?

>まだ。そういえばユンピンの言ってた1か月で彼女ができるってやつ当たらないかもね。

なんて会話をしながらも皆で楽しい時間を過ごしていました。そんなユンピンと会うのは夜でした。彼女のナイトバザールでの仕事が終わってから。しかしある日。昼間に会おうとユンピンに言われました。これは珍しいと思い一緒に出掛けることにしました。出かけた先は彼女の家でした。そして彼女に促されるまま家に入りました。

一戸建ての家だったのですが、その中庭のところに簡易のアトリエのようなものがありました。どうやら彼女が使っているアトリエのようでした。結構本格的だなー、なんて思いながら見ていました。すると彼女が、これも見て、と自分の書いた作品を見せてきました。おそらく油絵なのだと思いますが、私には美術の素養が、センスが全くないので良く分からりませんでした。模写?のようなものから、デザイン画まで色々とありました。

このような空間にいること自体不思議な感じだったので、私は食い入るように絵を見ていました。ふと気が付くとユンピンはいませんでした。そしてしばらくするとお茶を持ったユンピンが現れました。