ユンピンの家にて。アトリエらしきところで彼女と向かい合って座りながら、彼女の描いた絵を無言で見る。何だこの空気。この時間。ダメだ。何か話さないと間が持たない。もうこの静けさに耐えきれない。そう思い、なんとか必死に会話をつなげようと試みます。
えーと・・・ああ、そういえば家族は今いないの?出かけてるの?
>両親は旅行中で来週まで帰ってこない
へー、え?!・・・ああ、そうなんだ・・・。
(ということは今この一軒家で二人きりか・・・まあ、それ以上のことなんてないよなー)
そんなことを思いながらも内心ドキドキしてしまいました。家に二人きりなことを聞いて余計に気まずい雰囲気になってしまいました。どうにかしてこの空気を変えなくてはいけない。そう思い、場を和ますつもりで冗談交じりで言ってみました。
えー・・・両親いないなら今日泊まっちゃおうかなー、なんて・・・
>・・・・・別にいいよ。
だよねー。ダメだよn・・・えっ?!いいの?!
見ると彼女は頷いていました。あまりの展開に驚きすぎて唖然としてしまいました。何しろこの時、私はまだ外国人の女の人とそういう行為をした経験はありませんでした。ちなみに外国人の彼女(記事参照)ができるのは、このもう少し後の事になります。
どうすればいい?えーと、こういう時どうするんだっけ?・・・そう私はまるでチェリー前夜のようにテンパっていました。しかし、そんな目に見えてあたふたする私をよそに、彼女の方が冷静というか普通でした。
夕ご飯何が食べたい?一緒に買い出し行こう。
・・・俺ってダメだな。こうしてユンピンと一緒に近くの市場まで夕食の買い出しに行くことになりました。ちなみに買い出しと言ってもユンピンは料理を作ってくれたわけでなく、出来合いのものを買ってきて一緒に食べただけでした。
そして夜になり、中庭のアトリエで彼女と一緒にお酒を飲みました。しかし、私は、昔から疑り深い、というより値がネガティブ。この期に及んでもてっきり、誰か友人が参加してきて宴会にでもなるんだろうなー、とか思っていました。しかし、そんなバッドサプライズもなく、二人きりの時間は過ぎていきました。
夜も更け初め、そろそろ部屋に入ろうか、と彼女に促されました。情けない。終始彼女のエスコートで進んでいきました。いくら私の方が年下とはいえ私も23歳の大和男児。このままではあまりに情けないと彼女の手をつかんで部屋に参ろうと思いましたが、よく考えたらどこの部屋かもわかりません。結局、大和魂を見せることは叶いませんでした。