海外移住日記第48話 何故かバンコクで研修スタートする

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何故かバンコクで研修スタート

こうしてようやくBビザが発行されるはこびとなりました。後はこれをワークパーミットに切り替えるだけでした。そして同時進行で研修がスタートしました。バンコクでの1か月の研修とのことでした。まずこの時点で、なぜバンコクで研修なんだ?と疑問が浮かびました。しかし、そういうのだから仕方がありません。

宿泊先は勤め先が用意してくれるのはいいとして期間は未定とのこと・・・荷物はどうしたらいい?なんか適当な会社だな。タイだからか?前職の鉄鋼会社とは雲泥の差でした。しかし、用意された部屋には久しぶりの湯船がありました。どうせ電気代も水代も会社持ちなのだからと思い、毎日のようにバスタブにお湯を張り入ってやろうと思いました。

そうして研修が始まりましたが、初日の感想は・・・めちゃめちゃ楽だ!この仕事!でした。することがありません。もともと友人の紹介でこの仕事の面接を受けることになったのですが、その時に友人から聞いていた内容が、オフィスに座って時間を潰すだけの仕事、でした。正直、話半分で、本当にそうだったらいいなー、とは思っていました。しかし、現実は期待と限りなく同じでした。

仕事は要するに建物の管理でした。そして住んでいる住人のクレーム対応、物件案内、契約締結業務などでした。初日は簡単な流れを聞いただけだったのですが、簡単な業務内容でした。少なくとも前職の鉄鋼会社の業務よりははるかにシンプルで楽な仕事でした。

日本のブラック不動産会社に勤めていた時、客の案内なんて1000回以上はやっています。しかもこんな綺麗な建物じゃなくて、問題あり物件や、ついこの間まで市場価値なしと烙印を押されていた訳あり物価などです。そんな不動産の案内経験がある私にとって新築の設備も充実している部屋の案内なんて、こんな楽なことはありませんでした。

また客層も遥かに違いました。日本での訳アリ不動産を買おうとするお客は2種類しかいませんでした。転売目的で買いに来る一癖も二癖もある業者まがいの客か資金があまりない、もしくは借金のある客。そんな厄介な客に比べると、バンコクのこの綺麗なサービスアパートに見学にくる客のなんて扱いやすいことか。

契約から入居案内の手続きも日本でやっていた金融機関とのやりとりや契約書の読み聞かせ、重説(重要事項説明書)の読み聞かせに比べれば100倍くらい楽でした。しかし、これは楽勝、なんて口に出したり態度に出したりすればどんな余計な仕事を押し付けられるかわかったもんじゃありません。

あくまでも私はここタイに楽な人生を送りにきたのです。そのことをしっかりと思い出し、楽過ぎてあくびが出そうだなんて態度は一切見せず、首を垂れて殊勝に先輩社員の話に聞き入ることにしました。