バックパッカーにおける世界三大地獄交通とは何か?

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世界三大地獄交通とは

今から20年近く前のこと。私がまだ大学生だったころにバックパッカーをしていました。今ほど便利ではない時代。いわゆる、バックパッカー=旅人、の最後の時代だと思います。

何せ当時はカンボジアのシェムリアップからタイの国境まで雨期になると20時間以上かかっていました(今ではほんの2、3時間)。道という道には地雷の痕なのか大きな穴が開いていました。そして近隣の住民が勝手に橋を壊し、自作で橋を作り使用料を取っていた時代。時はまさに世紀末、の様相を呈していました。

そんな道のりをピックアップトラックの荷台にのって20時間移動していました。国境のポイペトに着くと全員全身泥だらけで皆で真っ先に近くのホテルのシャワーに向かったものでした。今では考えられませんが当時はバックパッカーといえばこのような旅行が主流?でした。

しかし旅をしている私達バックパッカーも異常でした。耳タコかもしれませんが人間は慣れる動物。実際に旅をしている私達バックパッカーもそんなことが当たり前と感じるようになっていました。というよりもきついのがバックパッカーだと。そしてバックパッカーが集まると自然といかにきつい旅行をしたか、いかにお金を使わなかったか、そんなことをお互い武勇伝のように語り合うようになりました。

そんな中で、世界三大地獄交通、なるものが表に出て語られるようになりました。今から考えるとだから、だから何なんだ?と思いますが、当時はそんな経験をした先輩パッカーを見て、すげーと思い、いつか自分もと思っていました。そして楽な旅行をしている他のパッカーを見下してさえいました。そう完全にバックパッカー原理主義でした。狂った時代でした。

そんな誰が名付けたか知りませんが、世界三大地獄交通とは・・・

パキスタンのバイブレーションバス

がたがたの未舗装の道を走り続けるためバスが何故か左右に揺られその振動が脳を直撃。ボクシングであごを打たれたような感覚を乗車中味わい脳にダメージを受ける地獄のバス。

スーダンの炎熱列車

シンプルに車内が50℃を超える中走り続ける炎熱地獄の列車。

中国のジャンピングバス

がたがたの未舗装の道を走り続けるためバスが前後に揺らされ乗車中天井に頭をぶつけ続ける。そして椅子(これがまた固い椅子)に尻をぶつけ、一回の移動で誰かが必ず骨折する地獄のバス。

以上の3つと言われています(諸説あり)。あとどこの国かは忘れましたが高地を走るバスで窓がガタガタで閉まらず、車内の温度がマイナスの状態で一晩中走り続ける、冷凍バス、なるものもありました。そしてそれらの経験をしたものがバックパッカーの中のカーストが上位になります。

私は上記の世界三大地獄交通のどれも体験したことはありません。しかしスペイン~モロッコ間の24時間ブラジルで36時間のバス移動などを経験したことがあります。あんな経験は20代だからできたこと。30代も終わりに差し掛かった今ではとてもじゃありませんが二度と乗りたくありません。

しかしあの時代。あの狂った時代。今の私と同世代の人が嬉々として地獄交通の経験を語っていました。やはりそういう時代だったということなのでしょうか?私が次にヨーロッパや南米の国境越えをする場合は、もう少しセレブに移動したいと思います。