海外移住日記第51話 お金をもらってタイ語の勉強をする

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お金をもらってタイ語の練習

研修を始めたのが12月1日からということもあり、世間はもう年末ムードでした。タイは常夏の為、日本や欧米の12月のようにクリスマス商戦からの年末年始という雰囲気はあまりありません。しかし、それでもやはり町はどこかせわし気な感じがしていました。そんな時期に研修を始めたということもありすることなんてありません。

ゆっくり仕事を覚えてもらうために、この忙しくない時期に研修をスタートしてくれたのか・・・いや違うな。絶対たまたまだ。そんな気が利く会社じゃない。そんなことは入社して数日で分かりました。しかし、まあ入社のタイミングは良かったと思います。のんびりしており、基本座っているだけの仕事、という友人からの前情報は正しかったです。

しかし、これ1か月間の研修期間がいるか?正直、基本的な業務は頑張れば1日で覚えれる内容だぞ。必要なのは、タイ語と現地での慣れのみ。そんなことより研修をして気づきました。それは私の研修なんかするよりも、もっと大事なこと。会社に言いたいことが山程ありました。ほんの軽く書くだけでも・・・

そもそも確立したやり方がなく統一されていない、各担当者ごとにやり方が異なる、担当者のやりやすいように魔改造されている、その情報共有がされていない、というか書類の書式も統一されていない、さらに今時データ管理が紙、そしてそのデータも社員間で共有されていない・・・。

つっこみどころが満載でした。大丈夫かこの会社?タイではこれが普通なのか?いや、違うな前職の鉄鋼会社はしっかりしていた。不安と不満がありましたが、良かったことは研修先の各日本人担当が(基本的に)良い人が多かったということ。多かった、と書いたのは一部かなりのくせものがいましたが、総じて良い人が多かったです。

さらに、まあ理想と現実は違うとはよく言いますが、ここでも面接と聞かされていた状況と現実はかなり違いました。基本的に仕事は少なく(年末ということもあり特に)することはあまりないのですが、たまに訪れる仕事の内容がほぼ通訳と同義でした。日本人のお客さんからの細かい指示や希望をタイ人スタッフへ伝えなければいけません。そしてそれを伝えられたところでタイ人スタッフから帰ってくる返答も当然タイ語。容赦のないタイ語でした。

そんなタイ語知らねーよ、と思いながらも対応しなくてはいけませんでした。面接では、ちょっとタイ語ができればいいよ、くらいのニュアンスだったのに。ここまで全力でタイ語が必要だとは聞いていませんでした。しかも会社の事情でほぼ即戦力として投入されたため、毎日のように分からないタイ語の壁にぶつかることになりました。

まあ、習うより慣れろ。前職の鉄鋼会社の時のように、タイ語以外にも英語やら訳の分からない仕事やらを同時進行で覚えなければいけない状態に比べればはるかにましではありました。単にタイ語と新しい仕事を覚えるくらいなら余裕がありました。たとえそれがビジネスタイ語?実用タイ語でも。

もちろん最初は苦労しましたが、タイに住む以上、タイ語能力の向上は必須なので、むしろもってこいでした。好都合とも言えました。働きながら、お金をもらいながら、タイ語能力が向上できると思い、ポジティブにとらえることにしました。