海外移住日記第7話 無駄足に終わった福岡出張

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福岡出張の実情とは?

そんなこんながあって福岡出張組が編成されました。そして、壮行会のようなパーティーが開かれました。これで売り上げ爆上げだー、年末社員旅行で海外行くぞー、とか社長はひとり盛り上がっていました。余談ですが、この社長ポジティブというか、相当見栄っぱりでした。

社員10人にも満たない零細企業にも関わらず、年末になると関係者に招待状を送り一流ホテルを貸し切って芸能人(名前をきいたこともない)を呼んでパーティーを催し、最後に舞台に恥ずかしそうな演技をしながら招かれ、よく知らない芸能人に囲まれ、明日があるさ、を歌うのが好きな人でした。

会社の金を使ってパーティー開くのは100歩譲ってもいい。でも休日にやるな。私たちは無理矢理強制参加の休日出勤でした。もちろん代休なんてありません。そういえば、飲みに行くとバブルの頃の話ばかりしていました。昔は良かったとか言われてもバブルの頃のことなんて知らねーよ。きっと景気の良かった時代が忘れられないんでしょう。

そんな福岡出張。私は2番手に選ばれ向かうことになりました。福岡に向かうと例の室長が駅まで迎えに来てくれてアパートまで送り届けてくれました。そしてアパートには家財道具一式原付が用意されてありました。余談ですが、その原付は壊れていました。いわゆるカブだったんですが、信号待ち時に突然エンストするなどの故障がありました。その室長が用意した原付だったのですが、社長は費用で10万払っていました。騙されてるんじゃないか?

福岡での仕事内容は今までと同じでした。福岡中を回りマンション(福岡はマンションのみ)の空き室の調査。そしてその情報を毎日会社にメールで送る業務でした。ただ私が福岡に着いたときはパソコンがネットに繋がっておらず、前任者は毎回携帯で送っていたらしいです。あいつは2週間何をやっていたんだと思いました。

福岡について事前の話と違っていたのは、福岡の物件の所有者調査は、名古屋でしてくれるという予定だったはずが、何故かそれも福岡でやれ、と方針転換されました。物件を探すだけでなく物件を担当する法務局まで行き、調べるという業務が増えて面倒臭かったです。

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福岡で調査業務をしていた個人的な感想になりますが、正直福岡の分譲マンションの空き家率は相当高かったです。名古屋の空き室率は、10~20%くらいなイメージなのですが、福岡の場合、それよりはるかに空き室が多く、大型のマンションになると空き家率40%とかざらにありました。

これは嬉しい誤算というか、社長の言っていることはひょっとしたら正しいのではないか、実は福岡の分譲マンションは宝の山なんじゃないか、そう思えました。そうして2週間の出張を終え大量500件ほどのマンションの空き室情報を得ることができました。そして所有者を自分で特定。早速アポイントを取ろうと連絡をしてみたのですが、正直リアクションが良くありませんでした。

結局、地元福岡の会社ではないから信用できない、福岡からそんな遠いのに迅速に対応してできるのか、そんな無断で空き室調査している会社信用できない、色々言われまくった挙句アポイントはほとんど取れませんでした。まあ、ごもっとも。そして、そんなことはやり始める前から分かっていたことなのですが・・・

そんなことがあり、はじめはアポイントが取れれば福岡まで飛行機で行く、と鼻息荒く言っていた社長も、自分の思惑が外れ体裁が悪いのか、それともただ面倒臭くなったのか、ぼちぼちとあった反響にも興味を示そうとせず、結局福岡まで行くことは一回もなく、そのうち福岡の話自体はしなくなってしまいました。

その後、福岡の話は社長の前ではタブーとなりました。結果1か月という出張期間と、数百万円の費用を無駄にしただけで福岡は終わりました。今から思うと一体私が過ごした福岡での2週間は一体何だったのかと思います。もちろんその間の歩合は発生しませんし、ノルマが無駄に加算されただけでした。この頃には全く社長のことを信用できなくなっていました。

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