カナダのバンクーバーでのワーホリ体験記24

Pocket

カナダでの恋愛は我ながらピュアなものだったと思います。30歳を目前にした、いい大人が何を言っているのだ、と気持ちが悪いかもしれません。しかし真実なので仕方がありません。おかしい私のこれまでの人生とはそぐわない。

カナダののんびりとした安穏な雰囲気がそうさせるのか、若者?らしいガツガツした感じをカナダでは出しにくいと感じたのは私だけだったのでしょうか?理由は分かりませんが、なぜかプラトニックな感じで続いていました・・・いやでもよく考えれば、これはいいことなのでしょう。

カナダという異国の地。同じステイ先で知り合って、そしていったん離れて、しばらくしてまた会うようになって、ご飯とか一緒に行くようになって、気づいたら付き合うようになっていた・・・まったくどこのつまらない月9のドラマだと。

しかしまあ事実なので仕方がありません。仕事もある意味?順調。恋愛も順調。正直カナダではあまり波乱万丈・起伏に富んだ生活は送っていませんでした。本当面白味のない生活でどうもすみません。

まあ本来はそれが正解であり良いことなのだと思います。何も卑屈になることはないのでしょうが、当時私はバックパッカー原理主義からの海外脳になっていました。なるべくお金を使わずに放浪するためにあえて極地に飛び込んだり、情報のないところへ入って行ったり、治安の悪いエリアに泊まったりなんてことが当たり前のことでした。

最終的には強盗に襲われたりしたことを、これはオイシイ、と思っていた時期です。そんないかれていた私は、何もトラブルのないカナダでの生活に物足りなさと、逆に不安すら感じていました。こんなリア充な生活が私に訪れるなんておかしい!待てよと。ということはその内このぶり返しが来るに違いない。そんな被害妄想すら出始めていました。

病気?事故?天変地異?ひょっとしたら美人局?などなど充実した時間が続けば続くほど不安に駆られるという訳のわからない心境。今から思えば、彼女は病んでいる私によくつきあってくれたなと思います。

そんな訳の分からない心理状態であったため、学校の友人には彼女を紹介できずにいました。自分で起こると思っていた不幸の傷を最小限に抑えようとの思いでした。まあ彼女がいるらしいことはバレてはいましたが、その話はしないようにしていました。

今から考えると学校の友人に紹介して一緒に遊んでいた方が良かったのだろうなと思います。でもしかですが、そうしていれば彼女との関係も変わっていたのかもしれません。しかし、当時はこんなこと長く続くわけがない、傷を広げないためにも紹介しないほうがいい、そう病んだ心理状態のまま彼女との関係を続けていました。