カナダのバンクーバーでのワーホリ体験記32 夢から覚めて終わりが始まる

Pocket

カナダのワーキングホリデーにも終わりが近づいてきました。正直私はこの時にすでに日本でマッサージ師として働くことを諦めていました。それには私が日本を飛び出してカナダに来た当時の日本でのマッサージ業界の現状がありました。それはマッサージ業界の相場の問題でした。

私がタイから戻りタイマッサージと日本式の指圧と揉み解しを加えた独自のマッサージを始めた当初、マッサージ・リラクゼーション業界の一般的な相場は1000円/10分でした。しかし、私がカナダに向かう前にはこれが500円/10分と半額ほどに値下がりしていました。

そんな日本でマッサージをすることへの閉塞感からの脱却が海外でのマッサージ師でもありました。しかしそんな私の儚い願いも、国家資格という大きな壁に阻まれ頓挫してしまいました。このまま日本に帰って再び明日をも知れぬ、マッサージ業界で働く意欲は残っていませんでした。

ちなみに今でこそタイにも日本のマッサージ屋が進出していますが、かなり厳しい戦いを強いられているようです。しかし当時はまだ20代の私。・・・・転職だな。そう思い、その近い将来日本のブラック企業記事参照で働き心身ともに壊されることになります。

それにしても惜しむらくは、デンマークのワーキングホリデーです。もし元彼女Mとの関係が続いていれば一緒に参加していたかもしれません。しかし当時の彼女Mとの関係も自然消滅していました。そのためデンマークまで行く意欲はありませんでした。

せこい話で恐縮ですが、カナダでの1年で貯金は増えていました。夢は諦めることになったけれど手持ちの小金は増えている。何とも皮肉な話だと思います。ちなみに1年前と比べて50万円ほど増えていました。

仕方ないよな。日本帰って、スーツ買って、車買って、普通に就職するのか・・・俺の冒険もこれで終わりってことか・・・みたいな心境でした。ああ楽しかったな。でも、そろそろ落ち着かないといけないのか・・・と。そう言った意味でも残り少ないバンクーバーでの日々は切なくも大事な時間でした。

バンクーバーを去る=天職だと思っていたマッサージをやめる=海外にのめりこむ前に自分には無理だと思っていたサラリーマンになる。という方程式が頭の中で出来上がってしまい余計に物悲しく感じました。まさに、夢から覚める、といった表現がぴったりでした。だったら、せめて残り少ないこの時間を友人と笑って過ごしたい。腹いっぱい酒を飲みたいと思いました。