ネパール旅行記3 ネパールとインドは天国と地獄くらい違う

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当時のカトマンズには多くの日本人旅行者がいました。そしてその誰もが無精ひげを生やしたザ・バックパッカースタイルでした。・・・まあ御多分にもれず私もそうだったのですが。しかし意外だったのがネパールで出会った日本人女性の旅行者でした。確か可愛い娘が多かったような記憶があります。

今でこそ普通に女子大生が一人旅するなんてことは当たり前の時代ですが、当時はまだまだそんな時代ではありませんでした。20年前旅先で出会う一人旅の女性は、ガチで喧嘩しても負けるんじゃないかと思うくらいの猛者が多かった印象が強かった気がします。そのため、なぜネパールにこんな普通の女性が?と思うことが多かったです。

ちなみにこれは今でもそうなんですが、いつの世も一定数必ず”自分探し笑をしたい”人間は男女ともにいます。そしてなぜか皆まずインドを目指します。しかしインドに行ってみたはいいものの、そのあまりの汚さと治安の悪さ、金銭関係のうっとおしさからネパールに逃げて来る人の多いこと多いこと。これは男のバックパッカーでもそうです。というか自分探しの旅をするならそれくらいのことで音を上げるなよと。

ちなみに私が昔インドを旅行していた時は、毎日のようにインド人と喧嘩をしていました。リキシャ(自転車)の運ちゃんに行先を言っても言う事を聞かず、違うところや店に連れて行こうとする、現地に着いたら約束の金額では足りないという、宿やレストランでも同様です。

衛生観念も当時はひどく(今もあまり変わらないらしいけど・・・)レストランに着いて、テーブル真っ黒だなー、って思って近づいてみたら、黒いの全部ハエだった、みたいなことが毎日当然のようにあります。

そんな生活に疲れ果て皆ネパールに逃げてきます。当時バックパッカーの間では、インドからネパールに行くことを地獄から天国。逆にネパールからインドへ行くことを天国から地獄、と言っていました。

ちなみにインドからネパールへ入った直後は、ネパール人のリキシャやタクシーの運ちゃん、お店の人に対してインドでの癖が治らず、初めからけんか腰で話しかけ、心優しい穏やかなネパール人を悲しい顔にさせてしまう、ということがあり、反省したことが何度もあります。ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ、と。そうなんです。顔は似ててもインド人とネパール人は似て非なるもの。

私がネパールで出会った可愛い日本人の女性旅行者は、そうしてインドでの自分探しの旅で疲れ果てた女子がネパールに着いてほっと一息して開放的になっている、そんな子たちと出会っていたのではないかと勝手に夢想しています。



深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)