ネパール旅行記6 ナガルコットはヒマラヤを見る以外何もない?

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ネパールのカトマンズで数日過ごした後、私は目的地の一つでもあったナガルコットに向かうことにしました。本当はヒマラヤの眼前ベースキャンプまで向かいたい、またはトレッキングに参加したい、そう思いましたが当時貧乏学生の私には、そんな時間もお金もありませんでした。

それならば、と向かうことにしたナガルコットは、ヒマラヤが綺麗に見ることができることで有名な山間の小さい町でした。ナガルコットへは、カトマンズから所要時間1~2時間の距離になります。出発時間は13時30分とのことなので、チェックアウト時間(12時)ギリギリまで宿にいました。

そこでちょっとしたトラブルがありました。それはチェックアウト手続きをしている最中、突然ホテルのオーナーが私に対してちょっと電話に出てくれ、と言ったのでした。?と不思議に思いながらも電話に出てみると日本からの電話のようでした。

話を聞くと長期間日本を離れ、連絡がない息子から突然荷物が送られてきたとのこと。そこに入っていた名刺が私が泊っていたゲストハウスとのことで、そこに書かれた電話番号に電話をかけてきたとのことでした。

息子はいますか?そう言われても宿のオーナーも知らんと言うとります。まあ大丈夫じゃないですかね。私も同じように特にトラブルなく旅行してますし・・・的なはげまし?を言い、安心させて電話を切りました。やはり親は心配してるんですね。

そんなことがありつつもカトマンズからナガルコットへの移動の時間になりました。バスはまるで廃車寸前のおんぼろな市バスのような車でした。これで移動か・・・まあ1~2時間だしな、と思いつつもナガルコットに到着していたころにはお尻が痛くて痛くてしばらく歩けないほどでした。それくらい当時のネパール移動はしんどいものでした。

ナガルコットに到着した時の感想は・・・これ町じゃない。日本の高速道路のパーキングエリアより何もないぞ。ゲストハウス兼食堂兼売店が数件あるのみ。あとは遥か彼方に民家がちらほらある。富士山の8合目みたいなところでした。その分確かに景色はいいけれど。

必然的に数件あるゲストハウスのどれかに泊まることになるのですが、実はこのナガルコット行きのバスでちょっとした出会いがありました。偶然同じバスに日本人の女性2人組が乗っており、車内で話が盛り上がり仲良くなっていました。

私はすでにホテルの予約をしてあったのですが偶然にも彼女たちも同じ宿に泊まるようでした。ちなみにその後に私はこの女性の内の一人を好きになり、海外青年協力隊で赴任したシリアまで彼女に会いにいくことになるのですが、それはまた別のお話。

ナガルコットに着いたのはお昼過ぎでした。正直何もすることがありませんでした。ナガルコットでできることと言えば、朝日とヒマラヤ、夕日とヒマラヤ、を見ることのみです。それしかすることがありませんでした。

仕方がないので部屋に荷物を置き、夕日が沈む時間まで散歩しようと思い外に出ると、私と全く同じことを考えていたのか、前出の女性二人も所在なさげにしていました。仕方ないのでそのまま3人で近くを散歩することにしました。



ネパールに生きる―揺れる王国の人びと