ネパール旅行記7 ドイツ人考古学者の衝撃の一言

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ちなみに私たちがナガルコットで滞在していたゲストハウスには私たち以外にも数人の旅行者が滞在していました。そしてそのうちの二人は日本人の男性でした。狭いゲストハウス、レストランも店も何もなく、何もすることがない町。というわけで5人が仲良くなるのに時間はかかりませんでした。話す。そんな原始的な行為が一番の娯楽になるのがナガルコットという町でした。

そしてナガルコットの夕日。ナガルコットでのメインイベントの一つです。確かに美しい光景でした。息をも飲む、という表現がぴったりなのですが、その前に旅先で出会った男女5人のトークがあまりにも盛り上がってしまい、正直感動の記憶は薄らいでいます。やはり旅行の最大の思い出は、人との出会い、なんだなと思います。

ちなみにその宿には私たち以外にもフランス人のカップルドイツ人のおじさん?おじいさんがいました。既述のようにナガルコットにはレストランもほぼなかった(実はノリタケレストランがあったけど後述)ので必然的に皆、ゲストハウス内の食堂が夕食を取ることになりました。

その際、まあどうせだったら皆で仲良く食べよう、みたいな感じになんとなくなり、私たち日本人5人とフランス人2人、ドイツ人1人の計8人でのにぎやかな夕食となりました。その中で明らかに私は英語力が劣っていましたが、ただただそのアットホームな空間が心地よかったことは覚えています。

そんな中会話の流れはそれぞれが旅してきた国の話になり、そして世界遺産の話になりました。必然的に、どこどこの遺跡は感動した、だの、あそこはすごかった、みたいな話になるのは洋の東西を超えて皆同じでした。しかし、そんな中一人のドイツ人が言った一言が衝撃的でした。

”私の職業は考古学者です。仕事がら世界中の遺跡を見て回りましたが、個人的にはカンボジアのアンコールワットに行けば、それ以外の遺跡にはいく価値はないと思います。”

そのあまりの説得力に皆黙り込んでしまいました。マジっすか・・・たまたまそのメンバーの中でカンボジアのアンコールワットに行ったことがある人はいませんでした。それもそのはず20年前はまだまだ地雷が埋まっていたり橋が落ちていたり、クメールルージュの残党が跳梁跋扈していたり、と今のように気軽には行ける時代ではありませんでした。

このドイツ人の考古学者の話を聞いた時、私の頭の中では、次の休みは絶対カンボジアのアンコールワットに行こう、そう思っていました。そしえそのことは言うまでもないかもしれません。



トラベルデイズ アンコール・ワット カンボジア (旅行ガイド)