海外移住日記第69話 私がパタヤを目指した理由

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私はただのんびりと落ち着いてお酒を飲みたかった・・・ただ、それだけ。そして、ただそれだけのことのためにわざわざパタヤまで出張って行っていました。シラチャにはそんな私のささやかな願いを叶えるお店はほとんどありませんでした。ちなみにシラチャには、スナックやカラオケなどの店がたくさんあります。

しかし、それらの店はうるさい。真隣や真後ろから聞こえてくる、知らないおじさんの歌を強制的に聞かなくてはいけません。落ち着いて飲むような雰囲気ではとうていありません。むしろ、これどんな罰ゲームだよ・・・と思わず口走ってしまうほどでした。が、そういうシステムなので怒るわけにもいきません。

そうシラチャには、ちょっと誰かと話しながら(できれば異性)、のんびりだらだらと飲めるようなお店が極端にないのです。あるのは男も女もギラギラと性の匂いを発するする店ばかり。いやいや、そうじゃないんだ・・・いや、そうじゃないこともないけど、もっと気軽に誰かと話しながら、のんびりできるところもシラチャにあれ。

パタヤでも女性陣はやる気マンマンだったりします。しかし、こちらもはなからおばちゃんやオカマを相手にする気はないので、笑って、ない!ない!ははは、と軽くいなすことができます。そして相手もそこまで深入りしてこないので、あっそう、とあけっけらかんとしており、その後は世間話に付き合ってくれたりします。

何よりも、あのオープンエアーな開放的な雰囲気がそうさせるのかもしれません。その反面、シラチャでは、薄暗い店内で知らないおっさんの酔っぱらった大声の歌が鳴り響いているため会話もままなりません。こちらの言葉を伝えるには必然的に顔を寄せ合って話さざるをえない状況です。

エロいことが目的であれば、この顔を寄せ合うという行動は良いのかもしれません。スナックやカラオケにやる気マンマンで行っているのならそれはそれでよいのかも知れません。しかし、私のように、ちょっと飲みたい、でも一人で飲むのはせつない、というくらいの客からすると、ただただ煩く、面倒くさいだけ。

こうしていつしか私は逃げるようにシラチャからパタヤを目指しました。そう。(当初は)決してエロい気持ちが先行してパタヤを目指したわけではありませんでした。むしろ逆に静かに時間を過ごすためにパタヤを目指したのでした。



ブラックアジア 第二部タイ〈パタヤ〉編 いいヤツは天国へ逝く、ワルはパタヤへ行く (ラピュータブックス)