ここは最高だ・・・。そうポカラは最高でした。そりゃ世界中の人間がここにたどり着いて皆沈没するわ・・・。ポカラの何が良いのか?そう言われても説明に困るのですが、とにかく最高の一言でした。
ポカラが今ではどうなっているのかわかりません。ちなみに当時のポカラには本当に何もありませんでした。野良牛とかが普通に闊歩するのどかな町といった感じでした。街灯もほぼなく、夜は月明りと近所の民家の灯りが頼みだったのですが、暗闇から突然野良牛が出てくると超びっくりします。思わず、うおっ!!おおお、と叫び声が出てしまいます。
ポカラはただ近くにヒマラヤがあるだけの町でした。まあネパールの町はどこもそんなんばっかりなのですが・・・ちなみにポカラはネパールにあっても標高は1500mほどとそこまで寒くありませんでした。
むしろ日中は汗ばむほどでした。この気候どこかと同じだ・・・そうだ!タイのチェンマイだ!暑すぎず寒すぎず(真冬はもちろん寒いでしょうが)。そんな気候の良さも沈没スポットしての人気の一つだったのかもしれません。
何もないだけにすることも特にありませんでした。これもナガルコットと同じでした。朝日と夕日のコントラストを見るだけ。でもナガルコットに比べるとより間近に見ることができるのでその偉大さと荘厳さは格別でした。
ポカラから見えるアンナプルナとマチャプチャレは朝日に照らされると金色に輝きます。そして夕日に照らされると今度はピンク色に染まります。それを宿のオーナーが入れてくれた熱いチャイを飲みながら何も語らずただ見る。それが毎日続きます。
俺ここに一生いれるかも・・・ここの時間の流れ方好きだ。
そんなダムサイドにある食堂での話。ちょっと昼飯を食べようと思ってお店に行ったのですが、そこで一人の日本人旅行者と知り合いました。彼も私同様一人旅をしてポカラまでやってきていたのですが、そこで意気投合し話が盛り上がりました。そして気づけば夜になっていました。
確かお昼前に食堂に着いたはず。ということは12時くらいから8時間ほど話し続けていたことになります。仕方がないのでここで夕飯も食べていくかということになり結局店の閉店22時までずっと二人で話していました。ポカラではそんな時間の使い方が普通にある町でした。ちなみにそのあとお互い宿に戻るのですが彼の滞在している宿は私の泊まっている宿の斜め向かいの宿でした。
そしてポカラの3日目の朝。2日目の朝同様屋上に上がり金色に輝くマチャプチャレとアンナプルナを熱いチャイを飲みながら見届けた後、何もするでもなく部屋でゴロゴロしていました。そしてうたた寝をしてしまい気づけばお昼手前。すると外から声が聞こえます。
あー、新しい泊り客か・・・ん?日本語だ。日本人か。・・・あれでもなんかこの声聞いたことある気がする・・・。
そう思い、ドアを開けて廊下に出てみるとそこにいたのはナガルコット行きのバスで出会い、淡い恋心を抱きつつも、カトマンズで別れた女性、とその友人の二人でした。
顔を合わせるや否や、お互い、あー!!!と叫びあいました。何事かと驚くオーナーでしたが、私たちが知り合いで、カトマンズで別れたあと偶然またであったことを話すと笑顔で、それは運命だね、と言ってくれました。