オーストリア旅行記~ウィーンの踊り子

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私は学生時代バックパッカーとして世界中を旅していました。そして大学2年生の夏にはヨーロッパを横断する3か月の旅に出ました。トルコのイスタンブールin、イギリスのロンドンout予定のマレーシア航空のオープンチケットを握りしめて。

過去にアジアを旅したことはあったが初めての ヨーロッパ でした。見るもの、聞くもの、食べるもの全てアジアとは違う気がしました。そんな中でも特にヨーロッパで出会う日本人女性は、アジアで出会う日本人女性とかなり違う気がしました。

アジアでも旅行中の日本人女性との出会いは当然あることはあります。しかし今現在みたいなアジアブームで一人旅の女子大生がいる時代とは違い、20年くらい前の日本人女性旅行者は何というか逞しく太ましい女性が多かったです。

服装が汚かったり、ノーメイクだったり、髪の毛がぼさぼさだったり、友達として行動するのは面白いのですが、恋愛に発展するかというと・・・でした。まあそう思っていたのはお互い様なのかもしれませんが・・・。そんな訳で旅行中、日本人女性との出会いにはあまり期待はしていませんでした。

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ヨーロッパの旅は順調に進み、トルコから北上し続けオーストリアのウィーンに入りました。あまりウィーンに興味はなかったのですが、まあ時間もあるしと市内観光をしていました。すると市庁舎前で何やらフィルムコンサートをやっているのを見つけました。

辺り一面お祭りの様になっており、屋台などもあり、ここで夕飯にするかと思い屋台の行列に並びました。すると、たまたま前に並んでいたのが日本人の男性でした。スキンヘッドの50代くらいの男性でかなり怪しい感じだったのですが、一人旅の勢いと寂しさもあり、何気なく話しかけてみることにしました。

するとその男性はウィーンで舞踏の先生をしているとのことでした。私は大学生で夏休みを利用してヨーロッパ横断中でイスタンブールから北上してきた、そう話すと、それは面白い、と言われ、一緒にご飯を食べようということになりました。

しかし男性は一人ではなく自分の生徒がいるからちょっと待ってて、と。しばらくして飲み物を持って戻ってきたのは同じ年くらいの女性でした。その女性は ものすごく可愛かった。海外で会った中で、とかではなく、今までの人生で出会った女性の中で一番可愛かったと思います。

この出会いは運命だ、そう思うくらい一気に惹かれ、釘付けになりました。そんな思いを隠しつつ、会話を続けていると彼女は留学生で国費でウィーンまで舞踏を習いに来ているとのことでした。ただ正直心ここにあらずで、そんなことは全く興味がなく、どうしたらこの娘と仲良くなれるかばかり考えていました。

そんな私の表情を読み取ったのか、男性が私に、オーストリア観光はしたのか?、と尋ねてきました。いえ、今日着いたばかりです、私がそう答えると男性は彼女に、それじゃあ彼を案内をしてあげなさい、そう言ってくれました。そんな提案に彼女は、分かりました、と答えていました。私はただこんな幸運が舞い降りるなんて信じられない気持ちで一杯でした。

しかし実はその時、財布の中に翌日のオーストリアーチェコ行きのバスチケットを持っていました。この出会いに比べればこんなものどうでもいい!捨ててやるわ!そうも思いましたが、さすがに貧乏旅行中の私にはそれはできなかったので彼女にわけを話すことに。

ちょっと諸事情があって明日チェコまで行かなければいけない。でも絶対ウィーンに帰ってくるから、その時に案内してくれない?そう言うと彼女は笑いながら快諾してくれました。そして連絡先だけ交換して翌日後ろ髪惹かれる思いで私はチェコのプラハに向かいまいた。



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