ネパール旅行記番外編 ネパール×キャラバン

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ネパール×キャラバン

私は昔異常にネパールに恋焦がれ、気持ちをがっつり持っていかれていたことがあります。その熱量はおそらくタイ以上だったかもしれません。それは当時の南米と同等の憧れがありました。またそれ以外にもネパールで好きな人と出会った記事参照ということもありました。そのせいでより想いが強いのかもしれません。

今から考えるとなぜあんなにネパールにはまっていたのか・・・お酒が美味しいわけでもない、料理がめちゃめちゃ美味しいわけでもない(不味くはないけど)、夜遊びができるわけでもない(当時はウブは学生だったのであまり気にならなかったけど)・・・とにかく盲目的にネパールが好きでした。

ちなみにあんなに大好きだったネパールなのですが、現在では政局が混乱しており、挙句毛沢東主義者が跳梁跋扈しています。共産党・共産主義への忌避感もあり、今では全く足が遠のいてしまっています。

そんなネパールですが、当時今から20年ほど前、大学生だった私は、毎年大学の長期の春休みを使って2か月半ほどのネパールをメインにした旅行をしていました。ちなみに何故夏休みではなく春休みにネパールに行っていたかというとホーリー記事参照があるからでした。ホーリーに参加するためにネパールを訪れていたといっても過言ではありません。


また当時はネパールに関する書籍や映画などを見たり読んだりしていた時期でもありました。そんな中で会ったのが映画“キャラバン”でした。そもそもは既述のナガルコットで出会って好きになった女の人からの紹介でした。

”キャラバンって映画知ってる?○○君ネパールのこと好きみたいだから、きっと面白いと思うよ!”

そう好きな人にオススメされて行動しないわけに行きません。早速この映画“キャラバン”を見に行こうと思いました。ちなみにキャラバンとは、

2000年アカデミー賞 最優秀外国語映画賞ノミネート

2000年フランス・セザール賞 最優秀撮影賞、最優秀音楽賞受賞

1999年フランダース国際映画祭最優秀観客賞/ゴールデン・シュプール賞/特別貢献賞受賞

1999年ロカルノ国際映画祭 最優秀観客賞受賞

第72回アカデミー外国語映画賞ノミネート

と数々の賞を受賞している傑作なのですが、何故かあまり日本では知られていません。

私はこの映画をカトマンズの映画館で観ました。当時泊まっていたゲストハウスのスタッフのお兄ちゃんに、キャラバンが見たいんだけど、そう伝えると親切に映画館までの場所を教えてくれました。

映画館のスタッフは当然日本語も英語も話せません。まあ映画館に来て客が何かを言っていれば、ああ映画が見たいんだな、と向こうも理解してくれるわけで、話は通じませんでしたが、意図は理解してもらえました。

そんなこんなあり映画が上映開始。当然英語+ネパール語字幕でした。正直なことを言うと何を言っているのかよく分かりませんでした。ただそれでもはっきりと心揺さぶられるものがありました。ちょっと泣きそうになりました。

過酷な環境下で生きる人々の姿。伝統や文化、そして新旧の世代の確執。しかしそれ以上にただただ映し出される映像の美しさ。この映画を一目見て気に入ってしまいました。日本に帰ってレンタルビデオでもう一度見返したくらいです。

なぜこのキャラバンにここまで心を鷲掴みされ、そして今でも思いで深いものとなっているのか・・・おそらくその理由の一つには“セブンイヤーズインチベット”記事参照との関係もあるのかもしれません。

というのもこの“キャラバン”の監督エリック・ヴァリは、私のもう一つの好きな映画“セブン・イヤーズ・イン・チベット”ではユニット・ディレクターも努めていました。大好きな映画二つに同じ人間が関わっていたわけです。ちなみにこの映画で驚きなのは、出演者のほとんどが演技経験のない現地の人が演じているという点です。そう言った意味ではドキュメンタリーに近い映画なのかもしれません。

当時生粋のバックパッカーだった私。大学からの普通の社会人たる生活を捨てて旅に出たい、と青臭く本気で思っていた当時の私には、生きるために危険な旅を続ける人々の姿がしみじみと胸に迫り、感情移入してしまったのかもしれません。

なぜ突然こんな昔の映画のことを思い出したかと言うと・・・先日日本に帰った際にクローゼットの中の荷物を整理しているときにこのカトマンズで見た映画キャラバンのチケットの半券が出てきたからでした。

ああ懐かしい。と思わず書いてしまいました。



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