中東旅行記8 世界的沈没地ダハブに到着

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アスワンからカイロへ戻り、2泊したのち私は、ヨルダン方面に行くためその途中のダハブへ向かうことにしました。そしてダハブへのバスの中で同じく一人旅をしている一つ年下の日本人旅行者T君と出会い、バスの席も隣同士になりました。

当時のガイドブックにはカイロからダハブまで5、6時間とありましたが、実際にはたっぷり10時間ほどかかり、ダハブに到着したのは夜の23時前でした。10時間隣同士だった日本人Tとは当然のように仲良くなり、当たり前のように部屋をシェアすることになりました。

さてダハブですが、エジプト屈指のリゾート地なのですが、そこは紅海の嘘みたいに青い海が楽しめるスポットでした。また近くには聖書に出てくる聖なる山、シナイ山、がありました。モーゼが十戒を受け取った山、そういえば分かるかもしれません。その山がダハブの近くにあることもあり、世界中から観光客が訪れます。

今から20年前ですら一大観光地兼沈没スポットだったので、今ではもっとすごいことになっているかもしれません。でも私は昔のあの、人をダメ人間にするのんびりとした感じ、が好きでした。そして当時ダハブにいた世界中の旅行者はみな思い思いに沈没していました。

ダハブに到着したその日は夜も遅いということもあり適当に宿を決めることになりました。しかし、その宿がかなりひどかったこともあり、翌日朝早く起きて友人と一緒に新しい宿探しをしに行きました。

結局ビーチに近い石造りの真っ白なゲストハウスにチェックインし、荷物を置くと早速ビーチに出かけてみることにしました。当時は海岸沿いにカフェが乱立しており、どこも砂浜に絨毯が一面に敷き詰められていました。そして細かくブースが区切られ、そこに大量のクッションが置かれているようなスタイルのカフェがたくさんありました。

あれはもう麻薬でした。いったん腰を落ち着けたら二度と動くことはできませんでした。冬のコタツを想像してもらえれば、日本人にはわかりやすいかと思います。そして時折荷物を友人に預け海の中へ向かいます。大概どこのカフェも先端からそのまま海に入ることができました。

適当に泳いで友人のところへ戻ると今度は入れ替わりに友人が海に入りに行く。それを延々繰り返し、あれ?ひょっとしたらこのまま永遠にここにいられるんじゃないか?、そう思うほどでした。実際、朝から晩までずっといたこともあります。

頭の中では今回の旅は、中東を北上していく1か月の短期間の旅行だということはわかっていました。こんなところで沈没して何もせずのんべんだらりとしている場合じゃない。そうわかっていました。でも体が動かない。

結局ダハブで何もせず3日ほど何もせずのんびりしてしまいました。しかし、これじゃだめだ、逃げちゃだめだ、とダハブのクッションに沈み込む重い腰を上げてヨルダンに向かうことにしました。しかし、せっかくなら、やはり既述のシナイ山には登らないといけない。

しかし恥ずかしながら当時の私はシナイ山のことを知らず、事前に情報を調べていませんでした。そのため登山用の靴を持っていませんでした。というか靴も持っていませんでした。そう私はサンダルで中東旅行に来ていました。

テレビでよく富士山をサンダル短パンで登山する外国人旅行者を目にすることがあります。あれを見て、クレイジーだわ、と思ったことがありますが、よーく考えると私も同じようなことをしていました。



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