中東旅行記11 ダハブに沈没

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さて、ダハブで居心地の良いホテルを確保。部屋に荷物を置くと早速ビーチに出かけてみることにしました。当時は海岸沿いにカフェが乱立しており、どこも砂浜に絨毯が一面に敷き詰められていました。そして細かくブースが区切られ、そこに大量のクッションが置かれているようなスタイルのカフェがたくさんありました。

あれはもう麻薬でした。いったん腰を落ち着けたら二度と動くことはできませんでした。冬のコタツを想像してもらえれば、日本人にはわかりやすいかと思います。そして時折、荷物を友人に預け海の中へ向かいます。大概どこのカフェも先端からそのまま海に入ることができました。

適当に泳いで友人のところへ戻ると今度は入れ替わりに友人が海に入りに行く。それを延々繰り返し、あれ?ひょっとしたらこのまま永遠にここにいられるんじゃないか?、そう思うほどでした。実際、朝から晩までずっといたこともあります。

頭の中では今回の旅は、中東を北上していく1か月の短期間の旅行だということはわかっていました。こんなところで沈没して何もせずのんべんだらりとしている場合じゃない。そうわかっていました。でも体が動かない。

結局、ダハブで何もせず3日ほど何もせずのんびりしてしまいました。しかし、これじゃだめだ、逃げちゃだめだ、とダハブのクッションに沈み込む重い腰を上げてヨルダンに向かうことにしました。しかし、せっかくなら、やはり既述のシナイ山には登らないともったいない。

しかし、恥ずかしながら当時の私はシナイ山のことを知らず、事前に情報を調べていませんでした。そのため登山用の靴を持っていませんでした。というか靴も持っていませんでした。そう私はサンダルで中東旅行に来ていました。

テレビでよく富士山をサンダル短パンで登山する外国人旅行者を目にすることがあります。あれを見て、クレイジーだわ、と思ったことがありますが、よーく考えると私も同じようなことをしていました。



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