中東旅行記12 シナイ山でご来光を臨む

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シナイ山。聖なる山。モーゼが十戒を受け取ったとされる山。標高は2285m。ちなみに標高が2285mあることも登山し終わった後に知りました。そう。ゲストハウスの部屋をシェアした子から”シナイ山登りに行きましょう!”そう、いわれた時も軽いトレッキングみたいなものだろうな、くらいに考えていました。そう考えていた私は本当にバカでした。

バスで登山入口付近に着いたのが夜の23時くらい。この時点で少し、いや、かなり嫌な予感がしていました。ご来光を見るためとはいえなんでこんな時間から?そんなに遠いの?と。そしてほかの旅行者と私は装備が明らかに違いました。私は小さいバッグに水と長袖の上着と軽装でした。かろうじて長ズボンを履いていて助かりました。

しかし、周りを見渡すと皆結構重装備。気づいたら皆トレッキングシューズもしくはちゃんとした靴を履いている。あれ?サンダル俺だけじゃない?あれ?これトレッキングじゃなくて、ひょっとして登山?と多少混乱している中登山がスタート。この時はまさかこのあと2285mを上ることになるなんて夢にも思っていませんでした。ていうか部屋シェアしたT君先に教えておいてくれよ。

道中は・・・吐きそうになるくらいに疲れました。体力の有り余っている20歳前後でもあんなに疲れるとは・・・途中何度もへたり込み、また立ち上がりを繰り返し何とか頂上に到着しました。確かご来光が上がる1時間半くらい前でした。

つまり5~6時間は歩き続けたことになります。そして今から考えると当たり前なのですが、頂上寒っ!エジプトは暑い国。ダハブも暑い。だから短パンでも大丈夫!そう考えて一瞬短パンで登ろうとした私は本当バカ。本当思いなおして長ズボンで良かった。

確か頂上で毛布の貸し出しもしてました。ホットチョコレートの販売もしてました。きっと私のような愚かな旅人がほかにもいるんだろうな、とか思いながら無駄にある若さで頑張って凍死しないように友人と身を寄せ合いご来光を待ちました。

そしてご来光。切り立った岩山から眺める朝日は、何というか荘厳でした。言葉を失いました。思わずボーっと見ていました。私だけじゃなくてパーリーピーポーな欧米人旅行者も同じようにただただ上がってくる太陽と太陽に照らされ色を変える岩山の神秘的な景色を見ていました。

これはいいものを見た。いやーいい経験したなー。と思ったのも束の間。しかし、そこから先は現実が待っていました。そういえば山に登ったら降りなくてはいけません。降りてゲストハウスに戻るまでがシナイ山登山。そして今度は2285mをひたすら下山しました。登りに比べるとだいぶ楽でしたが、入り口に着いたときには皆ボロボロの状態でした。

その日はそのままゲストハウスのベッドに倒れこむように転がりました。




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