中東旅行記23 シリアをぐるっと一周旅行することにする

Pocket

突然ですが、私は滞在していたシリアのダマスカスの彼女の部屋を3日目にして出ることになってしまいました。というのもどうやらアパートの管理人みたいな人からクレームが来てしまったからでした。そういえばシリアはイスラム教の国。男女関係にはシビアなお国柄です。

ましてや日本国政府が借り上げているであろう女性隊員の宿舎になっているアパート。そこに男が出入りしている。よくよく考えれば、そりゃまあクレームも入るわな、と思いました。しかし、突然言われてしまったこともあり、目の前が真っ暗になったことも確かでした。

というのも今回の旅は何といっても彼女に会うことが最大の目的でした。それゆえにテンション高く、中東までやってきていました。それがこんなにも早く、もろく砕け散るとは・・・と軽いショックを受けてしまいました。

しかし、正直彼女の家の部屋を借りていることへの申し訳なさと若干の窮屈さもありました。なんといってもここシリアのダマスカスに来るまで、エジプト、ヨルダンと旅先で出会った仲間と自由きままに世界遺産のオンパレードを旅行してきました。

その開放感と刺激的な毎日の連続と比べてしまうと、ダマスカスの、好きな彼女の家の一室、そこでのんびりと過ごす時間は、平穏で温かく満ち足りたものではありましたが、正直どこか物足りなさがあったことは確かでした。

彼女からは、本当にごめんなさい。本当に申し訳ないけど明日にも部屋を出て欲しい、と2日目の夜に言われました。まあ、このような結末になったことは仕方がありません。彼女に迷惑をかけることは本意ではないので、早速身支度をすることにしました。

そしてこれをポジティブにとらえようと思いました。これは良いきっかけだと。ダマスカスの彼女の部屋でダラダラ時間を過ごすことをやめ、新たに腰を上げて再び旅立つベストなタイミングだったのだ、そう思うことにしました。シリアも、というか中東全体世界遺産の宝庫です。

しかも他の観光大国のように観光客でごった返していません。これだけすごい世界遺産なのに自分ひとり占め?みたいな状況で観光することができます。ましてや今では行きたくても行けないエリアになっています。そして翌日の朝早く。私は3日間お世話になった彼女の部屋を出るとともに、バスターミナルへ向かうことにしました。そして一路今は亡き世界遺産、パルミラ遺跡、へと向かうことにしました。