中東旅行記25 クラック・デ・シュバリエはまんまラピュタ城

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クラック・デ・シュバリエ。十字軍時代の城で、かのアラビアのローレンスが、この城を世界で最も素晴らしい城だ、そう述べているほどです。しかしこのクラック・デ・シュバリエが日本人にとって有名なのは、世界遺産になっているからでも、美しい城だから、というわけではありません。

なんといってもジブリの人気映画”天空の城ラピュタ”のモデルとなったといわれている城だからです。もともとバックパッカーとジブリ作品は切っても切れない関係性があります記事参照。そして、そんな中でもここクラック・デ・シュバリエは代表格でもあります。

このジブリのモデル地(なんじゃないか)めぐりはさながら聖地巡礼のようで、通常の旅行にさらなる旅情とロマンのエッセンスを加えることになっていました。まあ簡単に言えば、あそこのあれジブリのあの作品の世界観そのままだったわー、と酒の肴のトークで言いたかっただけなのかもしれませんが。

さてそんなクラック・デ・シュバリエ。着いた後は、一緒に帰ることだけををざっくり約束して、各自三々五々好き好きに遺跡内を見て回っていました。しかしそんなに広くない遺跡内。そこここで鉢合わせたりします。通常であれば気まずさがあるのですが、あまりのラピュタ感にそんなことも気にならなくくらい、城の隅々まで見て回りました。

城を見学中、どこかから聞いたことのある音色が聞こえてきました。はじめは気のせいかと思っていたのですが、いや間違いない。これはラピュタのテーマ曲だ。そうセルビスで一緒になった日本人の一人はギターを持ち込んでいました。

その彼がギターを弾いているに違いない。そう思い音のするほうへ向かってみると、テラスのような場所で背中を向けてギターを弾いている後姿が見えました。ラピュタを知らないほかの国の観光客には何が何だか分からないに違いありません。そして同じ日本人でも女性には理解してもらえないかもしれません。しかし分かる。分かるぞと。

今であれば、そんなことをしている日本人観光客を見かけたら恥ずかしい気持ちが出てくるのかもしれません。しかし、当時の私は、ああここでラピュタのテーマ曲を弾くためにギター持ってきたんだ、という彼の気持ちが痛いほど分かりました。そんな彼を遠目に見ていた私ですが、思わず歌を口ずさんでいたのは内緒の話です。

そんなクラック・デ・シュバリエでの観光が終わり、皆で仲良くハマの町へ戻りました。こうして私のシリア一周旅行は終わりを告げました。次の目的地でもあり、飛行機の出るレバノンに行くために私は一度ダマスカスに戻ることしました。



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