中東旅行記30 最後の最後で良いことと悪いことが起きる

Pocket

そしてシリア最後の日。私は早朝にレバノンのベイルートに向かう予定でいました。ちなみにその前夜、エジプトのダハブからヨルダンのアンマンまで一緒に旅をした友人と一緒にベイルートに向かう約束をしていました。私と彼は違う宿に泊まっていたのですが、距離的に50mも離れていませんでした。

翌日。早朝約束していた場所、約束していた時間に向かうも友人はいませんでした。そしてそれから30分待ってもうんともすんとも来ませんでした。宿に行ってみるものの早朝ということもあり、扉が開いていません。

・・・あの野郎。寝坊していやがる。このまま待つのも癪に障る。ということで彼を放っておいて一人でレバノンへ向かうことにしました。そしてそのまま何のトラブルもなくベイルートに到着。ベイルートでの滞在時間はわずか2日。しかもベイルートは連日大雨。まったく観光なんてできやしませんでした。正直ベイルートの記憶も思い出もありません。

そんな中一つだけ鮮明に覚えているのは、雨の中近くの商店から宿に帰ってきた時、突然後ろから、あーごめんなさい!!!と話しかけられたことです。驚いて振り返ってみると、寝坊して約束を破った友人が立っていました。どうやら彼は次の日にレバノンに来て同じ宿にチェックインしたようでした。

そしてレバノン、というより中東旅行最後の時。私は空港へ向かうため乗り合いのタクシーに乗り込みました。そこで隣り合った地元レバノン人と仲良くなり、空港に到着するまでの約30分ほどの時間を話をして過ごしていました。そのレバノン人のおじさんは途中で降りて行ったのですが、私が空港に到着した時、運転手のおじさんに料金を払おうとすると一言、もうもらっている、と言われました。

どうやらさっきのおじさんが私の分も払っていてくれたようでした。そして彼は、VON VAYAGE!と言っていたと・・・。まるで映画のワンシーンのようではないですか。私が女だったら抱かれてもいいと思ったかもしれません。このワンシーンだけでも当時の中東がいかに平和で、当時の中東の人々が良い人ばかりだったかが分かると思います。

しかし、最後の最後、空港でちょっとしたトラブルがありました。それはチェックインしようとしていたときのこと。チケットを受け取り自分の荷物を預けた時、突然後ろの人から自分の荷物を一緒に預けてくれと言われました。これがNOと言えない日本人なら断れなかったかもしれません。

しかし、私は本来猜疑心の塊。基本的に他人を信用しない性質。大きな声で言ってやりました。NOと。下手に人の荷物を預かってそこから白い粉でも出てきたらどうするんだと。運び屋の片棒を担ぐなんてまっぴらです。舌打ちをしながら引き下がっていくおじさんを見ながら、ちょっと嫌な思いをしつつ、搭乗ゲートへと向かいました。

結果、実害こそなかったものの全く最後の最後で・・・。そうは思いましたがトータルで言うと中東は全然プラスで良い思い出でした。心から、また来よう!そう思える1カ月ほどの充実した時間でした。中東からISISの輩がいなくなり、真の平和が訪れたらまた是非中東を訪れたいと思います。