海外移住日記第99話 諦めの境地

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タイで働くとタイ人とタイのことが嫌いになる。タイに来て仕事を始める前にいろいろな人から言われました。さらにそれには周期もあるらしい。3カ月と3年だったかな?・・・カップルか!そう思い、初めはそんなこと信じられませんでした。私は違う。一緒にするな。私はタイが好きだ。タイ人が好きだ。だからタイに来たのだ。

・・・・・今になって思います。ごめんなさい。私が間違っていました。私は一時期タイが嫌いになりそうに、いや嫌いになりました。それを口に出してしまうと終わりだと思い、言葉にこそ出さないものの、内心ではお前らアホかと思っていました。いや口に出さずとも、心で思っただけでダメなのかもしれません。タイ人とひとくくりにせず、個人差もあるのに・・・

嫌いになった理由。それは何といってもその適当さ。そして時間にルーズなところ。ひょっとしたら日本人とドイツ人以外はあまり気にならないのかもしれません。しかし、やっぱり電車やバスが分単位のスケジュールで動き、かつその時間ぴったりやってきて、電車が3分遅れただけで謝罪のアナウンスが流れる国から来た日本人からするとしんどいものがありあます。

確かに分かります。そんなサービス、日常は、日本だけなのだと。むしろ日本が異常なのだと。そんな国日本以外にないということも過去にヨーロッパや北米を見て痛感しました。お前らもルーズなのかと。しかし、そんな時間間隔がびっちり染みついている日本人にはそんな時間のルーズさが許せません。

数日、数週間程度の観光であれば、そんなルーズさも許せるのかもしれません。どうせ観光旅行なんてものは基本的に良いところだけを見て終わるものです。しかし、これが数か月、数年単位で暮らす立場に変わると途端に腹立たしくなります。もろに日常の生活に支障が出てきます。

しかし、怒ってみても仕方がありません。何かが変わるわけでもありません。そうして自分を抑えるよう努力することにしました。はじめこそ何でこっちが我慢しなくてはいけないのだと腹立たししく思いました。しかし、私は異邦人。住まわせてもらっている身。こちらがタイの文化や習慣に合わせる身です。

そしてはふと気が付きました。私の言動(まだ言葉に出してないけど、態度には出ていたかも)はまるで日本に巣くう在日朝鮮人やヨーロッパに移民しているイスラムの人のようだったのかもしれない。頭に浮かんだのは保護や保障を受けている身にも関わらず、その地の文化や風習に合わせることなく横暴にふるまう彼らの姿。

途端に自分が恥ずかしくなりました。まさに反面教師。人の振り見て我が振り直せ。です。危ない危ない。私も同程度に落ちるところでした。そう私は日本人。恥の文化のある国民。そう自分を律し、もうそういうものだと、ある種諦め、悟りの境地に達しました。