海外移住日記第9話 退職を決意させたトリガー

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退職を決意させたトリガー

最近ではほぼ毎日のように企業による不祥事がテレビや新聞で報道されています。企業ぐるみの犯罪行為、とまではいなくても、会社員による情報漏洩や各種犯罪行為、不祥事など。まあ従業員が数百~数千人いるような企業であれば分かります。もちろんあってはいけないことですが、しかし分母が大きければ、れだけおかしい人間がいるのも仕方がないかなと思います。

さて、私が務めていた会社では 2人 が警察のお世話になりました。全社員7人の零細企業でです。2/7の確率。しかし弁護するわけではありませんが、その二人に特に問題があるわけではありませんでした。その逆で二人の同僚は社内で特に真面目でした。しかしその真面目さが仇となり社長の命令を忠実に守ってしまい、警察のお世話になるような行為を働いてしまいました。

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しかし、私には、いつかはこういうことが起きるだろうな、という漠然とした予感が正直ありました。そして、ついに起こってしまったか、と。当時の私には、ブラック企業の洗脳下にありながらも多少の理性が働いており、社長に言われてやっていることはおかしいのではないか、と疑問を感じることが多くなっていました。しかし警察のごやっかいになった二人は完全に麻痺していました。

彼らは社長が飲みながら自慢気に語る過去の仕事の話、早朝や深夜に客宅におしかけてサインもらうまで帰らへんかったわ、みたいなよく考えたら完全にアウトな経験談を、すごいですねー、と褒めていました。完全に洗脳済みたいな状態でした。しかし、それも仕方ないかと思います。

私はどちらかと言うと社員の中でも、一番冷静というか冷めている、悪く言えば、人のことをそもそも信用していない仕事なんかに自分の人生かけるなんてまっぴらだ、と思っていた節があります。そんな私でも麻痺しかけていたくらいでしたから。しかし警察のお世話になった二人は真面目でした。社長からの指示を盲目的に実行するタイプでした。例えそれが一般常識からすると倫理的におかしいことでも。忠実な兵士のように無謀に突撃していました。

そんな彼らがやってしまったことは 住居不法侵入 でした。一人はオートロックのマンションの内部を確認するために居住者が出てきたタイミングで入れ替わりに侵入し、マンション内を調査している時に管理人に見つかりました。その時に上手くごまかして逃げてくれば良かった(本当は良くないですが)のですが、テンパり思わず逃げ出そうとしたところ、管理人と揉めてしまいその場で拘束されて警察を呼ばれてしまいました。

もう一人は、一軒家の空き家調査をしている最中、確実に空き家かどうか確認しようとしたため敷地内に入りメーターのチェックや裏庭の確認をしていました。そして窓から中を覗いているところを居住者に見つかり、警察を呼ばれたそうです。この彼も、もう一人の彼も最終的には、弁護士に介入してもらい示談で済んだのですが、事件後、会社に迷惑をかけた、と言う理由で二人は解雇されました。いや正確に言うと自主退職させられました。

この事件をきっかけに私は、この会社ではやっていけない、この社長にはついていけない、と強く思うようになりました。そして、それ以上に、次は私の番かもしれない。自分が壊される、自分の人生が台無しにされる、と思うようにもなりました。

もう無理だ・・・そうして私は退職する決心をしました。今回の経験で給料などの条件はもちろん大事なのですが、やはり一番大事なことは職場環境、特になのだなと感じました。パワハラやモラハラなどで心を削りながら無理して働く必要はありません。きっと自分に合うもっとより良いホワイトな職場は探せばあるのだと思います。


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