ヨーロッパ横断旅行記36 スペインのマドリードで美術館にはまる

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タイミングよくピカソ展が開催されているのを知り、私は早速見に行くことにしました。そして実際にピカソの作品、特にゲルニカを見た感想は・・・予想よりもはるかにすごいものでした。当初は、観光がてら、思い出話作りくらい、のつもりでちょっと見に行ってみるかくらいのものでしたが、期待が低かったからか、実際にはかなり感動してしまいました。

結果、美術館の中で数時間にわたって鑑賞していました。しかし、昔は学校の授業なんかで美術館や博物館なんぞに行っても、何も感じない、美術の素養のない不感症な男だったのですが・・・外国がそうさせるのか、スペインがそうさせるのか、はたまたピカソがそうさせたのか・・・それが何かなのかは、いまだに分かりませんが、学生時代何も感じなかった感情を一気に取り戻すような勢いで気づいたら夢中になっていました。

そして、突然覚醒したそのパッションはピカソだけで覚めることはなく、そのままの勢いで違う博物館にも行ってみようということになりました。都合の良いことに、ソフィア王妃芸術センターの近くにはティッセンボルミネッサ美術館があったので、そちらにも足を向けてみることにしました。

ちなみにこちらでは、その当時、VICTORIA HUGOの特別展というのをやっていました。ピカソほどではありませんでしたが、それでもかなり楽しめました。まさか自分に美術を鑑賞する楽しみができるとは思いもよりませんでした。実はその近くに有名なプラド美術館があるのですが、ちょうど休館日ということで後日また訪れることにしました。

思わず美術館にはまり半日ほど観光して時間を過ごした私。帰りはちょっと早めの夕食を帰りしなのバル(BAR)でとることにしました。そういえばマドリードでは朝からバル(BAR)がやっています。日本で言うと居酒屋みたいなもの?だと理解しているのですが、朝からやっているため朝からビールが飲めます。そしてタパスと呼ばれるいわゆる、おつまみ、があるのでそれをつまみに朝から昼から酒ばかり飲んでいました。

びっくりしたのは、朝にはパッと見、完全に出勤前のサラリーマンやOLみたいな人達がいたり、昼にも同様に仕事途中のサラリーマンやOLが昼から酒を飲んでいることでした。日本だと朝から居酒屋にいるような人たちは、朝から酒を飲むアル中の廃人か、腐った生活保護受給者か、歯のないホームレスか、もしくは夜の仕事の人・・・

というとかなり偏見があるのかもしれませんが、スペインではいわゆる普通の勤め人が真昼間から酒を飲んでいました。当時まだ社会に出る前の青い学生だった私は、文化の違いって怖ぇー、と思わず思ってしまいました。


プラドで見た夢―スペイン美術への誘い (中公文庫)