海外移住日記第12話 ブラック企業退職から海外移住への道が開く

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海外への誘い再び

ブラック企業を退職してから1か月が経ったところで、ようやく失業保険を申請するための書類一式が会社から届きました。書類を渡さない、と言うしょうもない嫌がらせを最後の最後までされましたがこれで完全に開放されたと思いました。さっそく受給手続きを進めるためハローワークへ向かいました。会社から自己都合退職扱いにされたため失業保険の受給期間は3か月間でした。

ハローワークの窓口で職員の人から退職理由を聞かれたので、前会社のブラックぶりを洗いざらい話したところ、それなら会社都合退職にできるかもしれませんよ、との回答がありました。しかしその場合、前会社と再び接触しなければいけない。職員の優しい気づかいは本当にありがたかったのですが、自己都合扱いで良いので手続きを進めてください、とお願いをしました。

受給資格が決定した後、お決まりの受給説明会に向かいました。その後は定期的にハローワークに行って求職閲覧をするか、紹介を受けるなどの求職活動をして働く意思を示す必要があります。実際は心身のリハビリのためしばらくのんびりしたかった為、今すぐ仕事を探していたわけではなかったのですが、失業保険の受給金額がバカにならなかったので職探しをしました。

実は洗脳が解けて退職届を出すまでの少しの期間に多少の転職活動は行っていました。しかし前ブラック会社の後遺症か、面接に行った会社の雰囲気に敏感になるようになりました。社長や上司らしき人が偉そうにふんぞり返っていないか、社員が死んだ魚のような目をしていないか。完全に個人的な主観ですが、あまりピンとくるところはありませんでした。

そんな中、数年ぶりにタイで暮らしている友人が日本に戻ってきました。ちなみにブラック会社を辞める前後、何故か不思議と海外に住んでいる友人や、バックパッカー時代の友人から連絡が立て続けに入ってきました。そしてこの彼が3人目でした。彼は京都出身なのですが、わざわざ愛知県まで会いに来てくれるとのこと。時間は腐るほどあったので、いつでもいいよ、と会うことになりました。

ちなみに彼とはバックパッカー時代にブラジルで出会いました。いわゆるデイトレーダーと呼ばれる人種でした。そして私が投資に興味を持ち始めたきっかけでもありました。パソコン1台でお金を稼ぎ、好きなところに移動する、そんな生活に当時憧れました。ちなみに彼は今、株で生計を立ててはいるものの生活の安定と諸々の事情のためタイの会社で働いているとのことでした。

数年ぶりに名古屋で再会したその友人に、私がブラック企業で働いていたこと、そしてそこをつい先月に辞めたことを伝えると彼からの第一声は、だったらタイ来たらええやん、でした。その彼も私がブラック企業を辞めるきっかけをくれた友人も何故か私の友人には 関西人 が多いのですが、全く同じことを言われてしまって思わず笑ってしまいました。

昔、バックパッカーとして世界中を旅していた頃、自分が一番楽しかった時代を知っている友人達が揃いも揃って同じことを言います。お前に日本は合ってない、海外に来た方がいい、お前らしくない・・・そうか。もうわかった。降参だ。そんなに言うならそうなのだろう。だったら日本を出てやる。この時点で私の中で日本で再就職する気はなくなっていました。


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