さて2日後にエルフードへ帰る車を予約することに成功しました。しかし、行きが50DHだったのに対して、帰りは500DHとのこと。なんなんだそれは!ぼったくりだろ!しかし、そう憤ってみても仕方がありません。生殺与奪権は彼らが握っています。仕方がないのでそこから値段交渉して何とか300DHまで落とすことに成功しました。しかし、これでもボッタクられているんだろうなあ。
その場で予約金として100DH支払いました。すると従業員から畳み掛けられるようにラクダツアーのお誘いがありました。確かにエルフードに戻るまでの2日間することがありません。ラクダツアーとは夕方くらいにラクダに乗ってサハラ砂漠へでかけて行き、良きところでキャンプをして、サハラ砂漠で一泊して帰ってくるツアーのようでした。
・・・ちょっと面白そうだ。というかこのやることのない時間の中で、何か、なんでもいいから用事ができることは嬉しいことでもありました。ラクダツアーか・・・ちなみに金額は?そう尋ねると、500DHとの返事が返ってきました。なんでも500DHか!そこから再び値段交渉して300DHで決着。エルフードまでの車代と同じでした笑
正直相場が全くわからないのですが、もう面倒くさくなったのでその金額で了承することにしました。ラクダツアーの出発は明日の18時。当座のやることができたので、それはそれで嬉しかったのですが、逆にそれまですることがありません。そして、この時点でかなりモロッコ人への信用を失っていました。
さて次の日。10時頃に起きました。ここに来てからずっとそうですが、することが何もありません。話す人もいません。もう限界に近い。自分で自分のことを一人でも生きていけるタイプと思っていましたが、どうやら違うのかもしれません。もし、あの時何かすることがあれば違ったのかもしれません。
今から思えば、この時に難しい本(何かの技術書、当時大学で勉強していた心理学の教本、資本論などの難所、国家資格の教本)を持っていれば良かったのにと思ってしまいます。おそらくあまりのすることのなさと寂しさから貪るように読み込んだのにと思います。
その証拠に当時、あまりにすることのなかった私は、唯一持っていた活字の書かれた紙、正露丸の仕様書をひたすら読み込んでいました。我ながらかなり病んでいたかと思います。しかし、あの時上記のような本を持っていれば、きっと乾いた砂が水を吸うように頭に入っていたかもしれません。
それが遠因となっているのかもしれませんが、以降私はバックパック旅行をする際必ず、気軽に読める小説以外に小難しい本をカバンに入れるようにしていました。