再び時は遡り、昨日の飲み会でのこと。どうやら長瀬さんはイギリスのロンドンからスペインのマドリードまでやって来たようでした。私の旅の目的地、というか日本へ帰る飛行機が出発するのがロンドンになります。そのため、ロンドン情報教えて下さい、という話になりました。長瀬さんが言うには、ロンドン超寒い。
確か、その時はまだ9月。スペインはまだまだ暑く、Tシャツ一枚でイケるくらいでした。しかし、ロンドンは（連日雨が降っているということもあるらしく）長袖の上着どころか厚手のコートがないと寒いよ、とのことでした。当時バックパッカーだった私は当然、そんなもの持ってきていません。どうしよう・・・すると長瀬さんから神の啓示がありました。
「ラストロ（蚤の市）行ってきたら。コートとかも売ってるみたいだよ。ちょうど明日やってるし。」
というわけでロンドンでの防寒具をゲットするべくラストロへ行くことにしました。そして翌日。私は10時ころに起きました。ラストロへ向かうべく準備をして部屋を出ると、サロンに見たことのある顔がありました。そうスペインで別れたはずの佐々木さんがソファに座っていました。スペイン－モロッコ－ポルトガル－スペイン。この間で一体何度の出会いと別れを繰り返しているのでしょうか。
しかし、まあ当初ほどの感動こそできませんが、それでも再会が嬉しいことに違いはありません。早速お互いの近況を報告。どうやら佐々木さんは今朝マドリードに到着したとのことでした。ひとしきり会話をした後、一緒にラストロへ行かないかと提案してみましたが、佐々木さんは着いたばかりで疲れているとのこと。仕方なく私一人で向かうことにしました。
無事にラストロに到着したのはいいですが、とにかくすごい人でごった返していました。元来人混みが嫌いな私は一瞬で嫌になって、引き返そうかとも思ったのですが、ロンドンは超寒いとのことなので、何とか頑張って人混みを進み、防寒具となるコートを探しました。中々これというものが見つからず諦めかけた頃、ビビッとくるスエード的なコートを発見しました。
当初は革のジャケットみたいなものを考えていたのですが、もう面倒くさくなっていたこと、さらにそのスエードのコートがシンプルにカッコ良かったこと、後裏地がボアになっており、防寒具としても使えそうだったため、そのコートを買うことに決めました。満足のできる買い物ができたので、ようやく大嫌いな人混みから脱出できると思い、宿に帰ることにしました。
