マドリードに戻ってきて3日目の朝。私はバルセロナに旅立つ長瀬さんを見送るべく9時に起きてサロンに座っていました。しばらく待っていると長瀬さんが登場。昨日あれだけ荒れていたとは思えないくらいさっぱりした表情で現れました。いや、あれだけ私に愚痴ったからあの爽やかな顔ができているのかもしれません。
彼女と一緒に地下鉄まで行き、名古屋での再会を約束してお別れとなりました。さて、私も私で、次の行き先をそろそろ決めなくてはいけません。まあ、最終目的地は決まっています。それは名古屋へ帰る飛行機が出発するイギリスのロンドン。問題はそこまでどこを経由して行くか?です。
マドリードからフランスのパリを経由して行くか。
マドリードからオランダのアムステルダムを経由して行くか。
それとも、もう面倒くさいからマドリードから直接飛行機でイギリスのロンドンへ行くか。
また日程的な問題もあります。そう。私に残された時間はあと1週間ほどしかありませんでした。1週間。しかし、考え方を変えればあと1週間も時間があるとも言えます。世の中には1週間でヨーロッパ数カ国周遊するというヨーロッパ弾丸ツアーがあるくらいです。そんな地獄の旅に比べれば既にスペインにいる私は遥かに楽ちんです。
そう考えればイギリスへ行くのに、フランスのパリを経由するのも、オランダのアムステルダムを経由するのも日程的には楽勝です。さて・・・どうしよう。うーん。フランスのパリは、ヨーロッパで1番の観光地と言っても過言ではありません。そしてエッフェル塔にルーブル美術館などなど。対するオランダは、フリー売春、フリードラッグの自由な国。そして、何と言っても飾り窓があります・・・
しかし、飛行機の出るイギリスのロンドンはロンドンでまた興味があります。さらに何より、今のこのぬるま湯のようなマドリードでの生活は何よりも捨てがたい。そんなことをここ数日ずっと考えていました。正直、昨夜長瀬さんの愚痴を聞いているときも頭の片隅にずっとこのことが頭にありました。そして出した結論は・・・
フランスやオランダを無視して、スペインからイギリスへ飛行機で行く、でした。
もうこのままマドリードでダラダラしていたい。帰りの飛行機が出るロンドンは仕方ないとしても、今からフランスとかオランダとか、行ったことない国へ行くの面倒くさい・・・全くバックパッカーにあるまじき考えだと思います。まあ、それくらいマドリードが自分に合っていたということかもしれません。というわけで長瀬さんを見送った後、私はイギリスのロンドン行きのチケットを購入するべく旅行代理店へ向かいました。