ヨーロッパ横断旅行記114 ロンドンで最後の晩餐

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良典君とマーケットではぐれた後、私は一人でタワーブリッジを観光し、18時半ころに洋一郎さんのフラットへ戻りました。部屋に入ると洋一郎さんが寝ていたので、起こさないようにキッチンにて絵葉書を書くことにしました。しかし、よく考えるとこのタイミングで絵葉書を出しても、私が日本に帰るほうが先になるのであまり意味がないかもしれません。

しばらくして、19時過ぎた頃に良典君が帰ってきました。そこで洋一郎さんが起きてくる前に夕食の準備を一緒にすることにしました。と言っても近くの店で、フィッシュアンドチップス、チキン、ベイクドビーンズ、という出来合いのものを買っただけです。それらとワインを購入してフラットへ戻りました。

買い物が終わり、ベイクドビーンズを炒めはじめた頃、ちょうど洋一郎さんが起きてきたので3人での夕食がスタートしました。飲んで食って、しかし、疲れていたのか、体調がまだ回復していないのか、良典君は途中で寝落ちしてしまいました。しかし、私と洋一郎さんは元気いっぱい、結局夜8時から朝の6時くらいまで、たっぷり10時間ほど何やかんや話し込んでしまいました。

まったく覚えていませんが、正直、当時の私はかなり痛かったので、しょうもない話に熱くなり、それに洋一郎さんを付き合わせたといった感じなのだと思います。空が白んできたのは何となく覚えているのですが、気づけば事切れるようにソファに横になっていました。そして目が覚めたらお昼前になっていました。

今日はロンドン最終日。今日の夜にロンドンから名古屋へ(途中クアラルンプールを経由するけど)帰ります。しかし、最終日ですが、特に何か特別なことをしようとは思っていませんでした。それよりもこのまどろんだ、だらけた時間をロンドンで、いや正確にいえば、マドリードで出会い、仲良くなった友人たちと過ごしたい、そう思っていました。

そんなことを告げると。洋一郎さんも良典君も、私のしょうもない願いに付き合ってくれました。結局、その日、最終日は、そのまま部屋の中で、何をするでもなく、かと言って、何もしていないわけでもなく、会話が尽きても居づらいわけでも、むしろ不思議な居心地の良さを感じながら、まったりと話しをしながら夕方くらいまで過ごしました。

そして最後の晩餐。私は昨日同様、近くで買い物をしてフラットで食べよう、そう思ったのですが、洋一郎さんから、せっかく最終日なのだから外食しようと言われました。そうして3人でピカデリー・サーカスを目指しました。目的の場所は、もちろんロンドン在住中、ほぼ毎日通ったあの中華料理屋です。そこでいつもよりたくさん注文して最後の晩餐となりました。


A03 地球の歩き方 ロンドン 2019~2020